これは本当のアフリカのお話です の商品レビュー

徳永瑞子(著者)

2013/06/02

いいタイトルの本だなと思った。そして読んでみたら、いい内容の本だった。著者は看護師（助産師）であり、NPO「アフリカ友の会」を立ち上げ、中央アフリカなどで医療活動を行っている。そんな著者の、アフリカでの人々との交流を綴ったもの。
エイズ、貧困、政情不安といったなかでの活動は大変だし、悲しいことや悔しいことにたくさん遭遇する。なかには与えられ慣れた生活、被植民地側の人間としての悲しい性が垣間見えてしまうこともある。それでも、それでも、アフリカで生活する人々の生き方は美しい。どっぷりハマっている著者の活動ぶりも美しい。
援助の鉄則というと、与えすぎない、贔屓をしないといったことが語られるけど、この本を読んでいると、著者がついつい肩入れしてしまう人、盲目的に援助してしまう人、どうしても気になってしまう人の話が何話も出てくる。冷静に原則論で考えず、その場でとりあえず「一人」を救うこと、つき合うことが本当にアフリカで暮らすということなのかもしれない。