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北朝鮮 飢餓の政治経済学 の商品レビュー

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2011/02/12

北朝鮮の飢餓の実態を、「食糧確保の権利」の視点から論じている。 その上で、人道支援のジレンマや、支援物資の横流しがどのようなところで行われていて、またどのような結果をもたらしているのかを注意深く考察されている。 北朝鮮に関するデータは、正確性が問われる場合が多く、さまざまなデータ...

北朝鮮の飢餓の実態を、「食糧確保の権利」の視点から論じている。 その上で、人道支援のジレンマや、支援物資の横流しがどのようなところで行われていて、またどのような結果をもたらしているのかを注意深く考察されている。 北朝鮮に関するデータは、正確性が問われる場合が多く、さまざまなデータを検討し、その実態に迫ろうとする苦労が見て取れる。 この本で扱われる、北朝鮮の体制を変えるためには、援助を行うべきか、また、援助をどのように行うべきかという問題は、われわれ東アジアに住む者にとっては興味深く、また避けては通れないものだろう。 また、各国、さまざまなルートから行われる支援によってそれぞれの思惑が相殺されていることに触れ、米国人の著者が韓国をして「困難で手に負えない」といっているのも面白い。なぜならば、韓国は北朝鮮の脅威に慣れてしまい、北朝鮮よりも米国を脅威と感じている米国の「同盟国」なのである。 北朝鮮で、また世代交代が起ころうとしているこの時期、北朝鮮にどのように接するべきかを考える際の助けとなってくれるだろうと考える。

Posted byブクログ