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アイの物語 の商品レビュー

4.3

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    59

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2014/03/01

人類が衰退し、マシンが君臨する未来。アンドロイドに捕らえられた主人公が、ロボットや人工知能を題材にした物語を聞かされる。その真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?最後に語られる物語に真実は隠されていたーという短編集。全7編。 他の本を探していた時に知ったもので、読みたいと...

人類が衰退し、マシンが君臨する未来。アンドロイドに捕らえられた主人公が、ロボットや人工知能を題材にした物語を聞かされる。その真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?最後に語られる物語に真実は隠されていたーという短編集。全7編。 他の本を探していた時に知ったもので、読みたいと思いつつ本屋で見かけず探していた作品なんですけど、実際に手に取ってみると、想像していたものと少し違いました。短編集ではなくて、あくまで長編の中にある仕掛けなのかと思っていたんですね。人とロボットの関係を紐解いていく上で、断片的に物語が語られているのかな、と。 収録されているお話は以下の通り。 1.宇宙をぼくの手の上に 2.ときめきの仮想空間 3.ミラーガール 4.ブラックホール・ダイバー 5.正義が正義である世界 6.詩音が来た日 7.アイの物語 想像していたものと違うけど、それはそれ。最後の物語への伏線としては機能していますし、面白くないというわけではありません。ただ、少しだけ冗長な感じはします。ライトノベル的…という表現が適切か分からないけど、そんな感じ。(作家さんは、ライトノベルで人気を博した方のようです) SFは特異であればあるほど、世界観の説明が必要でしょうけど、この読ませ方の上手さに作家さんの技術が露見してしまうのかな。もちろん、そういった説明を読んで世界観を空想する楽しみもあるとは思うのだけど、個人的には自然にその世界へ入れるのが理想ですね。 私が好きなお話は、「詩音が来た日」。 アンドロイドが老人介護をしながら人間について学ぶ、というお話なんですけど、色々と考えさせられます。 アンドロイドと人間が認識する「生と死」の概念とその捉え方。ちょっと極端なことを言うと、この編だけでも主旨としては十分かなと思ったりもします。 この短編集がお勧めかどうか、これがちょっと難しい。 いえ、決して面白くないわけではないのですけど、物語によってはダレるので価格を考えると少し躊躇します。 また、物語は結構ストレートです。 最後に一ひねり…特にブラックな最後を期待する人には物足りないですね。健全な青少年には…お勧め…かな? 自分がひねくれているというだけかもしれない。

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2014/02/10

心温まる物語だった。どの話も良かったけど、最後のインターミッションで胸が熱くなった。 フィクションだけど、真実よりも正しい。。。

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2013/12/31

2冊めの山本弘作品。相変わらずの山本弘節全開。 理解できないものを許容する。確かにそれは愛がないとできない。

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2013/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

数年前に子飼弾さんが絶賛してからずっと読みたいと思っていたSF。期待違わず最後まで一気に読んだ。 --------------------------------------- 【あらすじ】 人と機械の立場が完全に入れ替わった遠い未来の地球。主人公は「語り部」として残された人のコミュニティを訪ねては物語を語ることを生業としていた。 ある日主人公はアイビスと呼ばれる機械との戦闘で負傷をしてしまい、病院に収容される。アイビスは主人公の怪我がなおるまでという条件付きで、「書かれた物語」を読み聞かせるのだった。 ---------------------------------------- 筆者が様々な場所で発表してきた短編をまとめて、かつ間の物語とエピローグを付け加えて一冊の長編とした作品である。 短編ごとの話についてはSFをちょっと読んだことがある人ならば、どこかで見たことが有るモチーフなので、目新しいものではないと思う。この作品の魅力は、その短編と短編に挟まれているアイビスと主人公の会話、そして終幕に向かって少しじつ繰り返し語られている「物語」の意味あいが変わっていくところにある。最後まで読みきると、なぜアイビスが「物語」を繰り返し読み続けたのか・・ということが大きな感動とともに理解されるのだ。 もう一つ、最後まで読むと著者がこのタイトル「アイの物語」をつけた理由がわかるようになっている。虚数を意味するi,、私を意味するI、そして愛・・というようにいくつもの階層をたった一言でくくることの出来る「アイ」という言葉。 日本語で書いたものを日本語で読むという幸せを感じさせてくれる作品。

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2013/12/06

人工知能ネタから派生して、認識ってなんだろうと考え させられる話。感情表現に虚数的な数値を与える表現は 面白いとは思いつつも、実数でもいいじゃん、と思う。 アマゾンのレビューなどではかなり好感度な評価だが、 自分はたいして感動的とは思わなかった。最後の方で明らか になるが...

人工知能ネタから派生して、認識ってなんだろうと考え させられる話。感情表現に虚数的な数値を与える表現は 面白いとは思いつつも、実数でもいいじゃん、と思う。 アマゾンのレビューなどではかなり好感度な評価だが、 自分はたいして感動的とは思わなかった。最後の方で明らか になるが、ロボットが自立的に文明を発展させていくが、 それは果たして可能だろうかということを考えてしまうから。 電気がなくなればほぼすぐに活動を停止してしまうような 脆弱さを解決できるのか。発明というような、無から有を 考えつくようなことができるのか。感知できていないものを 感知する方法を考えられるのか。などなど。。。 そして機械や半導体といったものの耐久性を知っているので 宇宙への進出など無理という考えからSF的話に没頭できなかったな。

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2013/11/21

TAIたちが使っている言語の復素ファジィ自己評価が面白い。 w クスッ www めっちゃおもろい `;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ! 吹いた と言う具合に140文字制限の中で主観的にも客観的にもほぼブレなく伝わる表記をするのに似てる。 AIは仲間同士の会話において「嘘を言わない...

TAIたちが使っている言語の復素ファジィ自己評価が面白い。 w クスッ www めっちゃおもろい `;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ! 吹いた と言う具合に140文字制限の中で主観的にも客観的にもほぼブレなく伝わる表記をするのに似てる。 AIは仲間同士の会話において「嘘を言わない」前提だから成り立つんだろう、会話に於いて平気で上面と内面を隔離できる人間同士の会話が復素ファジィ自己評価で表されたら、裏の心が多くある人間は不利だろうからなぁ。逆に感情を露わす言葉にこの数値を必ず付ければ自分の感情の度合いが表現し易い。殆ど知識がないのでそう言う解釈で捉えてるけども、復素ファジィ自己評価ってやつを(笑)。Twitter上では便利だろうな、と思う。文字だけで感情がどこまで高ぶってんのか全部言い表せているとは言い難いだろうし。この部分の合理性に目からうろこが落ちた。

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2013/11/10

人類が激減し、代わりにアンドロイドが地球上を席巻するようになった近未来。そんな世界に住み、語り部としてかつて人類が繁栄を極めた時代の小説や物語を生き残った人々に伝える役割を持つ「僕」が主人公。 その「僕」が女性型アンドロイドの「アイビス」に捉えられ、彼女から様々な物語を伝えられ...

人類が激減し、代わりにアンドロイドが地球上を席巻するようになった近未来。そんな世界に住み、語り部としてかつて人類が繁栄を極めた時代の小説や物語を生き残った人々に伝える役割を持つ「僕」が主人公。 その「僕」が女性型アンドロイドの「アイビス」に捉えられ、彼女から様々な物語を伝えられます。ただし、アイビスからは「真実は語らない」という約束がされます。 アイビスから語られる7つのストーリーの合間には「僕」と「アイビス」のやり取りがインターミッションとして挿入されるため、この本の中に7つのSF小説があり、それをさらに包括するものとして『アイの物語』という小説がある、という構造になってます。 全体を通じて、著者である山本氏の「ヒトの世界を本気で変えたい」という気持ちを見て取ることができます。舞台はSF、使っている手法は小説ながら、彼が指摘しているのはほかでもない、現実で起きている人間の業であり、罪であり、それによって生じる悲劇です。 一気に読める小説というのは好い小説だと思っているので、その点ではかなり評価を高くしたい作品ではあります。 が、アイビスが語る7つ目の物語、その名も「アイの物語」において、アンドロイドしか理解しえない感情を表現するために、「ヒトが理解できる単語」を組み合わせて「アンドロイド用の熟語」を使っていて、その部分で少し流れが滞ってしまったかな、という感があったので、☆は一つ減らしました。とは言え、全体の完成度はかなり高いので、SFが好きな人なら読んで損はないと思いますが。

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2013/10/30

腰巻の“機械とヒトの千夜一夜物語”という謳文句に惹かれ手に取る。児童版『船乗りシンドバッドの冒険』なら読んだことがある。ちくま文庫版千夜一夜物語(全11巻)も読破したいのだがなかなか手が出ない。こちらは七夜一夜物語。導入部分はブレードランナーを思わせる。作品には結論より過程描写を...

腰巻の“機械とヒトの千夜一夜物語”という謳文句に惹かれ手に取る。児童版『船乗りシンドバッドの冒険』なら読んだことがある。ちくま文庫版千夜一夜物語(全11巻)も読破したいのだがなかなか手が出ない。こちらは七夜一夜物語。導入部分はブレードランナーを思わせる。作品には結論より過程描写を重視するタイプとエンディングから逆算して組み立てられたものがある。本作は後者。はっきり言って挿入話は特に面白いとは思わなかったが全七話を語り終えた後のアイビスの謎解きに共感を覚える。これを言いたいが故の長い前振りだったと言えよう。

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2013/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長編が紡ぐ短編集といった感じ…? どの短編も面白く、最終的なまとめ方も個人的に気に入っています。 AIやロボットが出てくるのに、戦わないっていうのも面白いと思いました。 個人的には「詩音が来た日」がお気に入りです。

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2013/04/06

知性体として倫理的にも論理的にも劣っているヒトの存在を許容し、ヒトの夢をかなえようとするAI。本作品は、AIが紡ぎだす数々の感動的な物語で構成されています。エピローグは忘れることができません。胸が熱くなるSF小説です。

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