あまんきみこ童話集 の商品レビュー
あまんさんの雰囲気満載。 優しい雰囲気のお話が多いのですが、たまにホラーみたいな作品まであったりして。 あの松井さんのお話のように、ちょっと不思議なお話が楽しめます。 日常の隣にある不思議な世界。
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懐かしく切ない物語から、不気味で恐怖する物語まで、子供の目線そのままに、あたたかくファンタジックに書かれている童話集。 語りの文体が印象的。音読した時ならではの文体がよく使われており、「読み聞かせる」という、物語の古来の原本を思い出させる。
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広い国道をよこぎると、緑の草のはえた高い土手よ。その土手をのぼると、目の下に遠くまで海がひろがっている。 しお風。海のにおい。青いなあ。 空も青い、海も青い。そのあいだをわけている水平線まで青い。 「こんにちは」 わたし、海にあいさつしてしまった。 それから、しんこきゅうを三回し...
広い国道をよこぎると、緑の草のはえた高い土手よ。その土手をのぼると、目の下に遠くまで海がひろがっている。 しお風。海のにおい。青いなあ。 空も青い、海も青い。そのあいだをわけている水平線まで青い。 「こんにちは」 わたし、海にあいさつしてしまった。 それから、しんこきゅうを三回して、坂道をおりていった。 『海うさぎのきた日』
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ふっと小学校の教科書に名前があったのを思い出して。 踊りだしそうな楽しさ、鼻の奥がツンとする悲しさ、ぎゅっとしめつけられるような夕方の寂しさ、言葉にしてしまえばなんてことはない、心に浮かぶたくさんの感情。こうした気持ちを言葉でぎっしり説明し尽くしているわけではないのに、どういうわ...
ふっと小学校の教科書に名前があったのを思い出して。 踊りだしそうな楽しさ、鼻の奥がツンとする悲しさ、ぎゅっとしめつけられるような夕方の寂しさ、言葉にしてしまえばなんてことはない、心に浮かぶたくさんの感情。こうした気持ちを言葉でぎっしり説明し尽くしているわけではないのに、どういうわけかふっと気持ちがこぼれ落ちていって、同じ空を見上げていた幼い、見えるものを見えるものとして見つめていた、自分が変わらず在てくれることに気づく。 言葉で説明することは簡単だが、それは形のないものを分断し一面的にそれを存在させているように見せかけるにすぎない。大事なことは見えない。直感で教えてくれる心の声は初めから共にあった。
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じわりと泣いてしまいました。 「車の色は空の色」のイメージが印象的でしたが、他にもこんなに素敵な物語があったのですね。 両親と同じ世代のあまんさんですが、ずっとずっと残る物語だと思いました。
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小学校の教科書でよく読みました、あまんさんの作品。子供にも分かる文章で言葉で表現しづらい感情をにおわせる、小説の原型と言ってもいいような作品の数々に、気がつくと読んでる間に百面相してました。透明でさらさら、穏やかで温かい。子供のころに読んでいてよかった。
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ちょっとした暇つぶしに、手に取った。 ぞっとさせられたり、懐かしさに苦しくなったり、そして大泣きしたり。 感情を揺さぶられた。 すばらしい。
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