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根本的な中論の歌 の商品レビュー

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2013/05/17

これは、画期的な訳だ。 そもそも、ナーガールジュナの言葉は、非常に分かりにくい。 論理的に書かれている(らしい)のだが、どういう論理の構造なのかが分からない。 その論理は、現代人の考える常識とは違う次元のもの。 意味が分からないまま、詩のように読むと、なんとなく楽しい。 たと...

これは、画期的な訳だ。 そもそも、ナーガールジュナの言葉は、非常に分かりにくい。 論理的に書かれている(らしい)のだが、どういう論理の構造なのかが分からない。 その論理は、現代人の考える常識とは違う次元のもの。 意味が分からないまま、詩のように読むと、なんとなく楽しい。 たとえば、第1章3節 「 人間が頭の中で考えた思想は、実在するものでは無い。それであればこそ、われわれはさまざまの正しい教えを、直感的に知ることができるのである。 そしてわれわれは、頭の中で考えた内容を実際に掴むことができないのであるから、 感覚的に受けた刺激についても、それが実在するものであるということを、確認することはできない。 」 p2 第2章1節 「 「行った」という過去の行為にたいする追憶が、実際に行くという現在の瞬間における動作を意味しないのと同じように、 「まだ行っていない」という未来に対する想念が、現に実際の行いとして現在の瞬間において行きつつある現実の行いと同じではない。 そして、「行った」という過去の追憶とか「まだ行っていない」という未来に対する想念とは切り離して、 「今行きつつある」という認識も、実際の行為として現在の瞬間において行く行いとは次元が違っている。 」 p7 全編、こんなカンジ。 そして、こういう理解しがたい難しい議論は『メリンダ王の問い』で、国王と長老の間で行われる難しい議論にも共通してる。 それから、後世の道元禅師の書かれたものにも似てる。

Posted byブクログ