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ただ遊べ 帰らぬ道は誰も同じ 団鬼六語録 の商品レビュー

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2024/10/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

巻末の略式人物年譜を読むだけでもこの人の破天荒ぶりが伺われる。それなのに、この残念な仕上がりはなぜだろう。団鬼六の言葉を紹介しながら、その言葉の背景や文章全体を紹介するという、企画としてはよくあるパターン。期待外れの理由を考えると、まず引用された言葉が魅力的でないことが致命的。彼の才能は、短く刈り込まれた寸言にあるのではなく、物語や文脈の中で輝く類のもの。 個人的には、アマ六段という将棋の実力から棋士仲間との交流が書かれた内容が面白かった。 行方尚史、林葉直子、森鷄二、富岡英作、米長邦雄、先崎学、羽生善治、森下卓、郷田真隆、真部一男、長沢千和子、大山康晴、升田幸三などの名前が出てくる。 将棋棋士の魅力について、「棋士は大人になりきれない幼児性というものを青年から老人に至るまで持っているからだ」と語る。 また、中井広恵、清水市代、林葉直子には一度も勝てなかったが、蛸島彰子や関根紀代子との対戦成績は互角だった、と自慢。 破天荒なアマ強豪棋士の小池重明の晩年の面倒をみていたことでも知られ、「あれだけの将棋の天才でありながら、たった一つしかない人生にそれを生かしきることができず、44年の短い人生を酒と女に溺れて使い切ってしまった男である」と評し、「そして、すごい奴だった」と結ぶ。 中井広恵との公開対局では、受けておけば勝ちという局面でカッコつけて詰ましにいくも詰まず、解説の大内延介は、聞き手が「今の飛車切りと銀のただ捨ては何だったのでしょう」の質問に対し、「気が狂ったのでしょう。哀れとしか言いようがありません」と返して観客から拍手が起こった、なんてことも。 将棋以外では、こんな話も。 「父の死期が近いのを知っていた私は、看護婦が部屋から出たスキを見て素早く煙草に火をつけて父の口に持っていった。父はせわしく煙草を喫い上げながら涙を流していた。私も泣き出していた」

Posted byブクログ

2012/12/07

著者はSM小説の大御所ということだが、基本的に男性S女性Mの構図のようなので、どMの自分には専門外。しかし氏に興味をもったので自伝的なものを手にとってみた。この本と「快楽なくして何が人生」だと後者の方が氏のことがよくわかる。こちらの本は、あくまで語録であって、ぱらぱらと読み流して...

著者はSM小説の大御所ということだが、基本的に男性S女性Mの構図のようなので、どMの自分には専門外。しかし氏に興味をもったので自伝的なものを手にとってみた。この本と「快楽なくして何が人生」だと後者の方が氏のことがよくわかる。こちらの本は、あくまで語録であって、ぱらぱらと読み流して15分程度で読み終わる。いくつかはっとさせられる言葉もあるが、基本的には氏の人生における主張はタイトルのとおり「ただ遊べ、帰らぬ道は誰も同じ」「快楽なくして何が人生」「一期は夢よ、ただ狂え」など言い回しは違えど一貫している快楽主義だ。この主義をもってして発せられる言動のブレの無さや行動、例えば延命処置を取らなかったり財産すっ飛んで夜逃げするなど、一瞬馬鹿なんじゃないかと思うようなことも、常識というレンズを一旦外せば至極まっとうなことだと思わされる説得力がある。自分が病気で苦しみ、医者に何を言われようとも自分の意思を通せる、自分の生き方に嘘をつかない姿勢は実に学ぶところが多い。昭和一桁の生まれということで、この年代の人の本はなかなか読む機会がなかったが、若輩の私が読んでも響いてくる言葉が数多くあるので、SM小説の方も試しに読んでみようかという気にさせられる。

Posted byブクログ

2011/06/04

[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った...

[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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