アッチェレランド の商品レビュー
やっと読み終わった。変わったタイトルの表題の意味は「どんどん加速する」。舞台は2010年代のWeb2.0が過激に発展した近未来。ナノテクノロジーを活用した演算素子の展開で惑星規模で物質がどんどん演算する素子に変えられて行く世界。ロブスターの神経系をネット上でシミュレートしエキス...
やっと読み終わった。変わったタイトルの表題の意味は「どんどん加速する」。舞台は2010年代のWeb2.0が過激に発展した近未来。ナノテクノロジーを活用した演算素子の展開で惑星規模で物質がどんどん演算する素子に変えられて行く世界。ロブスターの神経系をネット上でシミュレートしエキスパート・システムとした初の「アップロード」体がロシア語訛りで亡命を要求してくる(最高!)し、脳腫瘍の研究者はやけになって自分を「アップロード」してしまう。思考素子の性能がグラムあたりのある値を超える特異点(シンギュラリティー)を迎えて変容してしまう直前の世界を3部構成で描く。第一部は2010年代、第2部は2040年代。アップロードたちがコーラの缶ほどの大きさの恒星船で謎の通信の探査に向かい宇宙規模でのインターネットに接続する!?第3部はシンギュラリティー後の太陽系。どんどん変化は加速され2070年代で惑星は次々に解体され太陽系2.0となってしまい、もはや人間のすみかは無い。土星まで住処を追われたヒトはどこへ逃れるのか! 現役プログラマーの著書らしく第1部が最も迫力がある。とにかくコンピューター用語やアイデアがぎっしり詰め込まれていて、めまいがするほど。いちいち想像してしまうからなかなか先に読み進めなくて、これまでになく時間がかかってしまった。レム先生を崇拝する僕としては第2部はいらない感じだったが、著者の作品の中では一番面白かった。テーマは第1部扉の「コンピューターがものを考えられるかと問うのは愚問だ。潜水艦が泳げるのかと問うのと、なんら変わらない」に集約される。人工知能についての微妙な感じも含めて著者の立ち位置がよく現れている。疲れたけど傑作。
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面白楽しく読めたのだけれど、第二部、第三部で人類が加速度的に進化していく様が描かれるのに比して、登場人物たちの魅力が減じていくのが残念。 第一部のマンフレッド・マックスと彼を取り巻くあれやこれやが一番面白かった。 本筋とは関係ないけれど、持ち主を認識してどこまでもくっついていくス...
面白楽しく読めたのだけれど、第二部、第三部で人類が加速度的に進化していく様が描かれるのに比して、登場人物たちの魅力が減じていくのが残念。 第一部のマンフレッド・マックスと彼を取り巻くあれやこれやが一番面白かった。 本筋とは関係ないけれど、持ち主を認識してどこまでもくっついていくスーツケースとか、ひったくられると悲鳴をあげるバッグなんていうのも楽しい。 それにしてもIT関係の用語にはまったく素養がないのを再認識。 Accelerando by Charles Stross
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