サイのクララの大旅行 の商品レビュー
◆きっかけ 日経WOMAN 2011年1月号p30 村木厚子さんが拘置所生活の中で読んだ一冊として挙げられていて。2017/3/4
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※このレビューにはネタバレを含みます
21世紀なら、サイをインドからヨーロッパに連れてくることは難しいことではない。しかし、18世紀半ばに、オランダ人が、サイを連れて帰って一儲けしてやろうと言う野望に駆られて一匹のサイを連れて帰った、まさに不可能を可能にする、ミッション・インポッシブルを成し遂げた。その後の17年間に渡る物語がこの本。 珍獣に見せられるのはいつの世も同じ。エリマキトカゲがCM をきっかけになってブームになったことを思い出す。 サイのクララを連れて帰り、ヨーロッパ各地を回った飼い主のヴァン・デル・メールは、今で言うマーケティングを使ってクララの宣伝をしていた。例えば、パンフレットの文章を地域ごとに変えていたり、関連グッズを売ったりと商才に長けていた。また、クララの到着をずらすことで、人々の話題に載せると言った口コミ、今風に言うとバズ・マーケティングもやっていたり、なかなかの策士だなと思った。
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内容(「BOOK」データベースより) 時は十八世紀半ば。あるインド植民者の邸宅で、親をなくした子どものサイが飼われていた。サイの名は“クララ”。オレンジとビールとタバコを愛する人なつっこいこのメスのサイを見て、オランダ人船長の脳裏にひとつの名案がひらめく。「こいつを見世物にして、...
内容(「BOOK」データベースより) 時は十八世紀半ば。あるインド植民者の邸宅で、親をなくした子どものサイが飼われていた。サイの名は“クララ”。オレンジとビールとタバコを愛する人なつっこいこのメスのサイを見て、オランダ人船長の脳裏にひとつの名案がひらめく。「こいつを見世物にして、ひと儲けしてやろう!」とはいえサイは、当時のヨーロッパでも知る者がほとんどいない“幻の獣”。体重三トンにまで成長したクララをいったいどう運んで、どう生かせばいいのか!?船長は、三トンの頭痛をかかえることに…。ライデン、ベルリン、ウィーン、ナポリ、パリ、ロンドン…飼い主の執念と愛情よろしく、クララはヨーロッパのほぼ全域を二十年近くかけて巡業し、有名無名の見物人に囲まれて、行く先々でちょっとしたブームをまきおこす―茶目っ気たっぷりの歴史トリビア・ノンフィクション。
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妖獣,18世紀ヨーロッパを行く〜オランダの商船長ヴァン・デル・メールがベンガルで購入したメスのサイは,人間に育てられ,馴れていた。6ヶ月かけてオランダ来ると,丈夫な馬車が作られ,ドイツ・スイスを巡業して歩き,デューラーが伝聞で書いたサイのイメージを一掃する。精密にスケッチされたポ...
妖獣,18世紀ヨーロッパを行く〜オランダの商船長ヴァン・デル・メールがベンガルで購入したメスのサイは,人間に育てられ,馴れていた。6ヶ月かけてオランダ来ると,丈夫な馬車が作られ,ドイツ・スイスを巡業して歩き,デューラーが伝聞で書いたサイのイメージを一掃する。精密にスケッチされたポスターが先触れの様に貼られ,様々な噂が流され,コインやブロンズ像が造られ,角がイタリアで落ちたことにもめげず,興行収入を揚げ,20歳あまりでロンドンで死去し,解剖学者の手に掛かる〜記録を辿って物語を紡ごうとしているので,ノンフィクションのようで納まりが悪い。サイは英語でライノセロス,お金を意味するスラング「ライノー」はクララが残したのだ。タバコとオレンジの臭いが好きなサイは各国の君主がわざわざ観に行く存在だった
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