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さくらファミリア!(3) の商品レビュー

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いろいろな意味で怒涛の展開

『地獄の沙汰も金次第』だけでなく天国の沙汰もまた金次第なのね、という話。天界編の完結であり、おそらく本シリーズの完結ではなかろうか。冒頭から挿絵を挟んで7頁弱も費やしたペトロ教皇様とのおバカなやりとりが本巻の行方を暗示させるが、実はこのどーしようもない教皇様でさえも序章に過ぎない...

『地獄の沙汰も金次第』だけでなく天国の沙汰もまた金次第なのね、という話。天界編の完結であり、おそらく本シリーズの完結ではなかろうか。冒頭から挿絵を挟んで7頁弱も費やしたペトロ教皇様とのおバカなやりとりが本巻の行方を暗示させるが、実はこのどーしようもない教皇様でさえも序章に過ぎない。魔界そして天界と、次から次へとヘンなヒト達がこの後に登場する。ガブリエル救出に向けて天界へ赴くために魔界を経由するのだが、久し振りに戻って来たるーしーの人気、というか悪魔達のつるぺたロリ属性振りが尋常でない。気味が悪いほどだが壮絶に馬鹿馬鹿しくもある。交渉決裂の理由がイタ過ぎる。続く天界はこれまたショタコンと百合とニートばっかし(自宅警備って物凄い大義名分だね)。ただ、なかなか思うようにいかない展開にあって、あの三十銀貨財団が自嘲しながらもいつの間にかアドバイザー的存在になって祐太にヒントを与え、窮地を打開していく過程が面白い。そして、この頃にようやく登場するガブリエル。前巻のレビューで「居なくなったことでレマとのキャラ被りが無くなった」と記したことを訂正せねばなるまい。やっぱこのヒト面白いわ。さすが師匠だけにアッチ方面の破壊力が違う。出掛けの祐太が振り返っただけで『行ってらっしゃいのキスがほしいの?』と即答できるガブリエルは素敵過ぎる。二転三転する展開の中で、フツーなら相応にシリアスにもなれるストーリーがおバカなことばっかりで進んでいくため、最後もくだらない理由で解決するんだろうなと思っていたら予想のナナメ上を行かれた。確かにたとえ神の御言葉であろうとも抗えるのは人間である。ここでは『帳簿上だけで動く金』、『本音と建前』そして『実物よりもオークションという付加価値』という社会の縮図を暗に示した含蓄あるものだった。できれば続きを読みたいものだがどうだろう。

DSK