日本の島々、昔と今。 の商品レビュー
取材を行ったのはかなり前のことになるので、細かい点では色々変わったこともあるだろうが、その根底に横たわる問題は何も変わってないと思う。隠岐とか種子島とか行ってみたいな。
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「すばる」昭和55年1月号から昭和56年1月号まで連載のルポルタージュ. 200海里問題,第二次石油ショックを背景に,日本の離島の現状を漁業を中心に取材した本.上陸できない島(竹島,北方領土,尖閣列島)はできるだけ近ずき,尖閣列島ではヘリコプターで上空を飛んでいる.領土問題がある...
「すばる」昭和55年1月号から昭和56年1月号まで連載のルポルタージュ. 200海里問題,第二次石油ショックを背景に,日本の離島の現状を漁業を中心に取材した本.上陸できない島(竹島,北方領土,尖閣列島)はできるだけ近ずき,尖閣列島ではヘリコプターで上空を飛んでいる.領土問題があるところは,詳細にその歴史にたちいり,なかなか力の入ったレポート.今,読んでも古さを感じない部分がたくさんあって,世界のできごとに疎い私には大変勉強になった.
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海は国境になった 焼尻島・天売島◆鉄砲とロケットの間に 種子島◆二十日は山に五日は海に 屋久島◆遣唐使から養殖漁業まで 福江島◆元寇から韓国船まで 対馬◆南の果て 波照間島◆西の果て、台湾が見える 与那国島◆潮目の中で 隠岐◆日韓の波浪 竹島◆北方の激浪に揺れる島々 択捉・国後・...
海は国境になった 焼尻島・天売島◆鉄砲とロケットの間に 種子島◆二十日は山に五日は海に 屋久島◆遣唐使から養殖漁業まで 福江島◆元寇から韓国船まで 対馬◆南の果て 波照間島◆西の果て、台湾が見える 与那国島◆潮目の中で 隠岐◆日韓の波浪 竹島◆北方の激浪に揺れる島々 択捉・国後・色丹・歯舞◆そこに石油があるからだ! 尖閣列島
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著者の作品は「複合汚染」をはじめベストセラーとなっていますが、これまで読んだことはありませんでした。 ふと本屋で手に取ると、勤務先となった北海道の離島が載っているではないですか。旅もしたくなっている気分でもあり読んでみる。 取材当時とその過去との比較と明確にテーマが設定されてい...
著者の作品は「複合汚染」をはじめベストセラーとなっていますが、これまで読んだことはありませんでした。 ふと本屋で手に取ると、勤務先となった北海道の離島が載っているではないですか。旅もしたくなっている気分でもあり読んでみる。 取材当時とその過去との比較と明確にテーマが設定されています。過去は江戸時代であったり、文字として記録に残っている限りの昔までさかのぼるのです。 最近流行の気分と印象のみを伝える紀行文と違い、軽い印象はなく問題提起型です。必ず市の水産課にいって話を聞くという突っ込み旅。というよりルポ。 深く掘る分やっぱり興味深い話がでてきて面白い。 当時の水温の上昇についても触れられていて、やっぱりどんどん進行しているんだとダイバー的にいまさらながら衝撃を受ける。
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あの「恍惚の人」の有吉佐和子が日本の最西端、最南端の島々から北海道の天売・焼尻島まで飛び、各島の漁業事情を中心にルポして回ったもの。佐野眞一の沖縄本の流れから読むことになったが、これが結構面白い。小説家なので文章に力があるし、政治・社会に物申す言葉も力強い。もちろん漁業だけにとど...
あの「恍惚の人」の有吉佐和子が日本の最西端、最南端の島々から北海道の天売・焼尻島まで飛び、各島の漁業事情を中心にルポして回ったもの。佐野眞一の沖縄本の流れから読むことになったが、これが結構面白い。小説家なので文章に力があるし、政治・社会に物申す言葉も力強い。もちろん漁業だけにとどまらず、その島の歴史も深く掘り下げ、そのどれもが興味深い。またこのルポの原稿を書いていた1980年、今から30年前の社会情勢もしっかり伝えてくれている。(イランのアメリカ大使館人質事件、ソ連アフガニスタン侵攻、それに伴うロシア五輪ボイコットetc.)この当時から石油事情が厳しく漁業の存続が危ぶまれていたということもよくわかった。それから30年、日本の漁業はますます苦しい状況に追いやられている。 そして、なんといっても最もおもしろいのが北方領土、竹島、尖閣諸島。このころから問題視されていて、今もって何の解決も見られていない。進歩なし。日本って人がいいのね~。有吉さん、生きていらしたら怒りで泡ふきますよね。
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著者の語り口が軽妙、歴史から現在のインタビューはとても読み応えあり。ただやはり領土問題に踏み込むと論争的になり、それが何章も続くと読むのには疲れる。
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この本は昭和55年から56年にかけて「すばる」に連載された内容なので、作者の有吉さんはそれ以前にそれぞれの島を訪れて、まとめたものです。海には線はひかれていないが国境はあり、さまざまな問題が提起される。行われる漁業も漁場も荒らされ、時には拿捕されダメージを受ける。 海洋国家である...
この本は昭和55年から56年にかけて「すばる」に連載された内容なので、作者の有吉さんはそれ以前にそれぞれの島を訪れて、まとめたものです。海には線はひかれていないが国境はあり、さまざまな問題が提起される。行われる漁業も漁場も荒らされ、時には拿捕されダメージを受ける。 海洋国家である日本の漁業の現状が過去からとても良く解る。 そして、最終章の「尖閣列島」。30数年前からの問題!作者が30年前から描いている離島等の諸問題、今日本人として真剣に考えよう。
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あの名作「恍惚の人」の有吉佐和子さん著。 素晴らしい日本の島々。 読んでいるとすーっと日常のわずらわしさを忘れます。 時折現代の切実たる問題で引き戻されます。 この本には「日本」が詰まっています!!
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先の梶山季之といひ、岩波文庫の顔ぶれも変つてきましたね。 本書は元々1981(昭和56)年に集英社から初版が出てゐました。取材はその前年といふことになります。 有吉佐和子さんは離島小説もいくつか書いてゐて、離島にはとても高い関心を示してゐました。 かういふルポルタージュを手がける...
先の梶山季之といひ、岩波文庫の顔ぶれも変つてきましたね。 本書は元々1981(昭和56)年に集英社から初版が出てゐました。取材はその前年といふことになります。 有吉佐和子さんは離島小説もいくつか書いてゐて、離島にはとても高い関心を示してゐました。 かういふルポルタージュを手がけるのも必然だつたと申せませう。 とりあげた離島は、焼尻島・天売島・種子島・屋久島・福江島・対馬・波照間島・与那国島・隠岐・父島。 上陸したら、もつぱら漁協を訪ねて、精力的にインタビューをします。この人の取材はいつも強引であります。読んでゐる分には面白いですが、突撃される方は困ることも多いでせう。しかし、手順を踏んだ上での取材では、通り一遍の内容しか得られないだらうことも理解できます。要するにこれでいいのでせう。 本文にもしばしば触れられてゐるやうに、海が国境になり、これらの島では常に隣の国を意識しながらの漁業となつてゐるのです。時には拿捕されたり、拿捕したり。 海洋国家日本の現状(30年前の)が、いかに心もとないかが分かるのであります。 そして番外として、上陸できなかつた島々が「竹島」「択捉・国後・色丹・歯舞」「尖閣列島」であります。きな臭くなつてまいりました。特に尖閣に関しては今まさに問題になつてゐますね。与党の代議士が尖閣の歴史を知らず、「これから勉強して...」なんて言つて失笑を買つてゐましたが、すでに30年前に本書でいきさつと問題点が網羅されてゐるのでした。地主さんの問題もね。「そこに石油があるからだ!」... わが国の外交は、もう100年は希望が持てさうもないな... http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-184.html
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