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アメリカ海兵隊のドクトリン の商品レビュー

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2017/04/22
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ジョンボイドのOODAループの勉強のために購入したが、結果、現代組織論として、目からウロコであった。ある意味究極の学習する組織として、アメリカ海兵隊がモデルたりうるのだと感じた。いわゆるマスコミから入ってくるアメリカ海兵隊の不良軍人のイメージが打ち崩された。 OODAループの考え方は簡潔に述べられているが、John BoydのPattern of Conflict等の戦闘に対する考え方、特に劣勢勢力が勝利する場合は奇襲攻撃、相手の精神を攻撃目標にすることで戦意を挫き、よく考え、頭脳的により意識決定が早い軍隊が、結果として被害が少ない方法で、理想は戦わずして勝つ例がほとんどだったという、Boydの歴史的な研究から導き出されたドクトリンが海兵隊に叩き込まれている。そのためには統一された概念を持った軍隊が生き物のように行動し、お互いの兵士、士官等の間の信頼関係の構築、阿吽の呼吸の醸成にも似た活動が推奨されている。そのために、よく学び、勇敢なトライが推奨され、その途中の失敗が容認されるべきとされている。 統一された概念を組織に与え、個々の組織が工夫学習をしながら目標を達成する、いわゆる現代の会社組織に本来必要とされるエッセンスが詰まっている。軍事モノとして色物として捉えると損をする。是非一読をお勧めする。 どうも、日本の宮本武蔵の五輪書の影響があるようなのだが、こんなところで影響を感じることができるとは。 今の所、John BoydのOODAループの考え方、効果を一番簡潔にまとめられた良書だと思う。

Posted byブクログ