舞い落ちる村 の商品レビュー
表題作は変な話ながら雰囲気が面白く引き込まれるように読んだ。 が、「冬待ち」はさっぱり入り込めず・・・・。 何より図書館勤務者としては、図書館スタッフがメンディングテープで本を修理するとかキャーやめて!と叫びたくなるシーンがあって余計に無理。
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舞落ちる村 と 冬待ち 2話ともまったく生活感がなく感情移入できなかった。 たしかに小説というのは虚構でなりたっているんだろうけど、それすらも楽しめない、何の意味も持たない、読んでも何も残らない話だった。 ただ頭のいい人がつらつらと文章を書いてる感だけが残る。 舞落ちる村・...
舞落ちる村 と 冬待ち 2話ともまったく生活感がなく感情移入できなかった。 たしかに小説というのは虚構でなりたっているんだろうけど、それすらも楽しめない、何の意味も持たない、読んでも何も残らない話だった。 ただ頭のいい人がつらつらと文章を書いてる感だけが残る。 舞落ちる村・・・何の落ちもなく本当に意味がわからなかった。 冬待ち・・・「慧、という字は紡錘形の触角をもった蛾の頭によく似ている」 インパクトがあったのはこの部分のみ。 というよりも、蝶や蛾の苦手な私は「ぎゃー」と声をあげたくなった。 物語自体は薄ーい感じなのに、どうしてこんなに気持ち悪いことが考えられるんだろう。ああ、もう慧という字が蛾の頭にしか見えない。
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タイトルが気に入って。 言葉が美しくて、ほろほろ溢れてしまいそう。 抽象的で曖昧で、好き。だけど、飽きる。 さらさらっと読み進めて、なにも頭に残らなくて、引き返したことが何度か。 雰囲気は大好きなのだけど。
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かりさ どこか幻想的で現実の輪郭が曖昧でふわふわした独特な世界に強烈に惹かれました。表題作「舞い落ちる村」の数を数えず、名前をつけず、言葉を信じない現実世界から乖離された村の様子はとても妖しげで、そして心地良い。音のない世界のように淡々と静かに単調に綴られるのが非常に魅惑的。主人...
かりさ どこか幻想的で現実の輪郭が曖昧でふわふわした独特な世界に強烈に惹かれました。表題作「舞い落ちる村」の数を数えず、名前をつけず、言葉を信じない現実世界から乖離された村の様子はとても妖しげで、そして心地良い。音のない世界のように淡々と静かに単調に綴られるのが非常に魅惑的。主人公の揺らめきの描きも見事。「冬待ち」も夢の中のような浮遊感がたまらなくいい。翻訳ものを読んでいるような掴みどころのなさを感じながら、そこに強烈な魅力を憧れを持つ。ずっと目覚めずここにまどろんでいたい。離れ難いほど好き。(2009年5月読了)
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言葉の選び方や間の取り方など、とにかくセンスが良い。無駄な比喩や描写がないのに世界観がしっかりとしていて美しい小説だ。 いらない言葉で世界を粉飾しないと成り立たないような小説は嫌い。 「舞い落ちる村」「冬待ち」どちらも素晴らしかったです。
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ことし、数えで二十六になる。 暦の曖昧なこの村では、生まれた日など誰もろくろく気にしていないし、覚えてさえもいないから、年があらたまると皆いっせいに齢を重ねる。ひとつ重ねるものもあれば、みっつ重ねるものもある。誰かが、何かがどこかで産まれたということすらも、ほとんど気づかないこと...
ことし、数えで二十六になる。 暦の曖昧なこの村では、生まれた日など誰もろくろく気にしていないし、覚えてさえもいないから、年があらたまると皆いっせいに齢を重ねる。ひとつ重ねるものもあれば、みっつ重ねるものもある。誰かが、何かがどこかで産まれたということすらも、ほとんど気づかないことがある。柱の陰に頭の毛も疎らな見慣れぬ柔らかい生き物がいたり、茶碗や履き物が一人分増えていたりして、あれはなに、これはどうしたのと上のものに訊くのだけれど、かれもまた言葉を澱ませて、あれは去年、とか、昨日の祭りで、などと断片的なことしか言わない。去年、祭り、丹塗りの腕、産まれたのは去年で昨日買ったのは草履に椀にデンデン太鼓。幾つか問いを重ねるうちに、やっとその子が私の妹であるとわかる。
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なんて不均等にゆらゆらした小説なのだろう。 不確かな人間達の位置関係に冒頭から引き込まれ、言葉の美しさに飲み込まれました。しかし言葉こそが常に変化を望む時代や日常に於いて、とても不確かに揺らいでいるモノなのかもしれません。 何が村に舞い落ちるのか其の実よく解りませんが、均等な言葉...
なんて不均等にゆらゆらした小説なのだろう。 不確かな人間達の位置関係に冒頭から引き込まれ、言葉の美しさに飲み込まれました。しかし言葉こそが常に変化を望む時代や日常に於いて、とても不確かに揺らいでいるモノなのかもしれません。 何が村に舞い落ちるのか其の実よく解りませんが、均等な言葉が舞い落ちてくれればこれ幸いです。
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