幼なじみ の商品レビュー
有名人である女性の訃報。主人公の幼なじみだった。社会人、大学生、小学生。時間を遡りながら記憶は鮮やかに蘇る。最後が始まりの記憶。パンを買いに手を繋いで小学校をこっそり抜け出す二人の姿が幸せすぎて切ない。
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手紙。小学生。挿絵。牛尾篤。 しばらく会っていなかった、有名になった幼なじみ。手紙を引き取りにきた。最後に出てくる小学生時代の描写で、幼なじみだって感じ。
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「あたしは前もって三分の一くらい死んだ気がする」 「ひとがいつか必ず迎える死、ひとにわけへだてなく与えられる死の大きさを仮に百とすると、そのうち三十くらいをこの二年で先に受け取った。苦しみも、怖い思いもさんざん味わったし、たくさんの脂汗も涙も流した。だから、いつかほんとうにあた...
「あたしは前もって三分の一くらい死んだ気がする」 「ひとがいつか必ず迎える死、ひとにわけへだてなく与えられる死の大きさを仮に百とすると、そのうち三十くらいをこの二年で先に受け取った。苦しみも、怖い思いもさんざん味わったし、たくさんの脂汗も涙も流した。だから、いつかほんとうにあたしが死ぬときにはこんどは残りの七十を死ねばいいと思う。そんな気がするの。」 『だから彼女のほんとうの死を知らされたとき、彼の頭にまず浮かんだのは過去のどんな感情に結びつく言葉でもなく、まるで死をもてあそぶように口にされた無意味な数字だった。百のうち三十、残り七十。』 「勇気とはどういう意味の言葉ですか」 「こわがらないことです」 「いちど自分が正しいと思ったら、こわがらないで、その正しいと思った考えを意見にしたり行動にしたりすることです。わかりますか?」 「ねえ、手つなごう」 「……」 「つないで」 「やだ」 「なによ、約束守んなさいよ」 「…あとでなら」 「いま」 「ねえ、将来は何になるか決めてる?」 「……」 「どうしたの」 「林は決めてる?」 「うん。でも花屋さんかパン屋さんかまだわかんないけど。はやく決めた方がいいよ。大学行くの?」 「わかんないよ」 「あたし好き?」 「……」 「あたし、自分は勇気ある人だと思う ー だから手をつなぐのよ」
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女優の死を妻から聞かされた夫の回想。幼なじみであった彼女とのやり取りは可愛くて美しくて切ない。それにしても彼女はとても魅力的な女性だ。時に大胆で、しなやかな強さもあって、でも守ってあげたくなる儚さもあって。そう思うのは、もうこの世に存在しない、金輪際実際には会えない、記憶の中だ...
女優の死を妻から聞かされた夫の回想。幼なじみであった彼女とのやり取りは可愛くて美しくて切ない。それにしても彼女はとても魅力的な女性だ。時に大胆で、しなやかな強さもあって、でも守ってあげたくなる儚さもあって。そう思うのは、もうこの世に存在しない、金輪際実際には会えない、記憶の中だけの女性だからという影響もあるのかなぁ。
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深いです。 三十の心構えができてる、ということは、未来を生きつづける勇気がわくということでもある、なんて… 佐藤正午さんは凄すぎです。
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なんともいえない切なさです。 う~ん、でも、 「切ない」という言葉は適当じゃないような気がします。 涙が出そうなくらい優しい気持ちになれる本です。
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2009年2月6日 第一刷 書き下ろし 絵と文 ほのぼの系。 デビュー直後に書かれた、幻の未発表作品らしい。 死んでしまった幼なじみとの冒険の思い出。 手をつないで走っていく姿でストップモーション。 ほのぼの系なのに「明日に向かって撃て」 のラストシーンを思い出している。 作者は...
2009年2月6日 第一刷 書き下ろし 絵と文 ほのぼの系。 デビュー直後に書かれた、幻の未発表作品らしい。 死んでしまった幼なじみとの冒険の思い出。 手をつないで走っていく姿でストップモーション。 ほのぼの系なのに「明日に向かって撃て」 のラストシーンを思い出している。 作者は、それで、今、生きているのだろうか。
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