チヨさんの特別室 の商品レビュー

鏡玲子【著】

2009/10/07

姑のチヨさんは脳梗塞、大腸がんでの人工肛門、そして認知症が80才から始まる。嫁の寿子さんの献身的な8年間の介護生活を義姉が書いたもの。

最後まで在宅介護を選び、住み慣れた家で暖かい家族と共に生活できたチヨさんは人間らしい生を終えた。

しかし、それを支えた嫁さんは本当に素晴らしい人間だ。不安に脅えるときには、一緒に添い寝もする。ひたすらチヨさんの意志を尊重し、ケアを続ける。

まだ未体験の介護だが、ちょっぴりの覚悟もできる。

介護は忍耐、ゆっくり待つこと、めげないこと、あきらめないこと。そして最も大事なのは相手をおもいやるやさしい気持だそうだ。あきらめると、それが医療チームにもそして何よりも本人に分かってしまう。質のよい在宅介護の例を知るのは大事だと思う。