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ヘッダ・ガブラー の商品レビュー

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2013/02/05

「この世であたくしに向いているのは、たったひとつっきりのことなの」 「退屈すること。死ぬほどね。」 イプセンの晩年に描かれたヒロインの1人、ヘッダ。 自らの人生における何らかの閉塞感のなかで、退屈というものを強く認識し、それを嘆きながらもただ退屈に生き、そして退屈のなかに...

「この世であたくしに向いているのは、たったひとつっきりのことなの」 「退屈すること。死ぬほどね。」 イプセンの晩年に描かれたヒロインの1人、ヘッダ。 自らの人生における何らかの閉塞感のなかで、退屈というものを強く認識し、それを嘆きながらもただ退屈に生き、そして退屈のなかに死んでゆく。 強靭にして繊細。 幸せにして不幸。 不可解にして身近。 賛否を呼ぶのが分かります。 きっと今も昔も、「ヘッダ」は惜しくも時代にはまらない。 *** 彼女のあまりに複雑で不可解な心理状況、理解しがたいほどに狂気じみた行い。その評価はどうあれ、読者に強烈な印象を残す物語じゃないでしょうか。 戯曲とあって、読みやすい・読みにくいの意見は分かれる気がします。もしかすると、本よりも舞台の方が取っ付きやすいのかもしれません。

Posted byブクログ