人形記 の商品レビュー
人形について小説を書くため、調べている途中で出会った本。執筆前に出会えて良かったと思う。多少読み過ぎのきらいもある気がするが、著者・佐々木氏の、詩人の鋭敏な感性が、様々な人形を取材するにあたっては見事に響き合っているように感じられる。ひとつひとつの章を辿るたび、前の章と連続してい...
人形について小説を書くため、調べている途中で出会った本。執筆前に出会えて良かったと思う。多少読み過ぎのきらいもある気がするが、著者・佐々木氏の、詩人の鋭敏な感性が、様々な人形を取材するにあたっては見事に響き合っているように感じられる。ひとつひとつの章を辿るたび、前の章と連続しているようであり、まったく新しいようでもある人形に、また人形作家(という言葉が適当かどうかはわからないが)に出会える感覚がある。またこの本は全体として、人形についての大きな『何か』ーー魂や心、或いはそう呼ばれるものの不在という存在のあり方ーーを伝えてくる。自分に都合がいいように人形を描こうとしている私のような人は一読すべきだろう。
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数々の人形や人形師に対しインタビューを行った書籍 人形は他の芸術品、玩具とは一線を画す何とも不思議なものですが、人形についてよく知らなくても、その魅力の一端を感じることができました
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(2009.05.20読了) B4というか、週刊誌の大きさの本で、結構重いので、通勤電車で読むにはちょっとしんどいのですが、なんとか読み終わりました。170頁ほどで、カラー写真も結構入っているので、簡単に読めると思ったのですが、版が大きい分、1頁あたりの文字数も多いので、思ったよ...
(2009.05.20読了) B4というか、週刊誌の大きさの本で、結構重いので、通勤電車で読むにはちょっとしんどいのですが、なんとか読み終わりました。170頁ほどで、カラー写真も結構入っているので、簡単に読めると思ったのですが、版が大きい分、1頁あたりの文字数も多いので、思ったより手間取りました。 いろんな人形について見に行ってそれを作った人や収集者に取材して書いています。 浄瑠璃人形、操り人形、指人形、からくり人形、伏見人形、御所人形、アメリカから贈られた「青い目の人形」、奈良人形、流し雛、美少女フィギュア、土偶と埴輪、「生人形」、いろんな人形があります。 ●青い目の人形(95頁) 1927年にアメリカから日本に1万2千7百3十9体の「青い目の人形」が贈られ、その答礼としてアメリカに5十8体の市松人形(答礼人形)が贈られた。 「青い目の人形」は、全国の小学校や幼稚園、そして植民地であった満州や台湾、朝鮮の小学校に贈られた。 1942,3年頃、戦時色が濃くなる中、そのほとんどが人形は各地の小学校では気処分に遇った。現在までの調査で約三百体が生き残っていることが分かっている。 (梨木香歩の作品にこのことを扱ったのがあったような) 人形というのは、彫刻であるような、ファッションであるような、おもちゃであるような、呪術的であるような、ちょっと不思議な雰囲気の分野です。 (2009年5月25日・記)
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