鬼の跫音 の商品レビュー
どんでん返しが強烈で、考察のしがいもある。 ゾッとするのに、予想外の結末に出し抜かれる感じが、たまらなく楽しい。
Posted by
道尾作品の中でも傑作。もはや芸術。それぞれの話は独立しつつも微かにリンクしているのも良い。とくに「冬の鬼」は完成度100%の最高傑作。何度読んでも素晴らしい。何百年もの鑑賞に値する芸術品のよう。
Posted by
鬼の足音 著作者:道尾秀介 発行者:角川グループパブリッシング タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 誰の心にある悪意を暴き出せ6つの物語。
Posted by
この作者の本は、一冊か二冊しか読んだことがないがどれをとっても人間の恐ろしさがにじみ出る作品ばかり。 人間の悪意に触れて腹の底がすっと冷える。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリーかと思ったが、少しホラー要素も混じったような短編集。 どの話も後味は悪い。 表題の元になっている「冬の鬼」は、日記形式で記述されており、短めで読みやすい。他の話よりも事件性は低いのに、読み終えた後に再び冒頭を読み返すと、しみじみとした怖さが襲ってくる。
Posted by
久しぶりの再読。 暑苦しさが吹き飛ぶような涼しさがあるかと言えば、むしろ逆で、まとわりつくような厭らしさが残る短編集だった。 すべての話、主人公たちのエゴイズムを際立たせる話なのでただただ苦々しい。 彼らが救われるわけではないのだけれど、だからといって勧善懲悪でもなく、彼らは破滅...
久しぶりの再読。 暑苦しさが吹き飛ぶような涼しさがあるかと言えば、むしろ逆で、まとわりつくような厭らしさが残る短編集だった。 すべての話、主人公たちのエゴイズムを際立たせる話なのでただただ苦々しい。 彼らが救われるわけではないのだけれど、だからといって勧善懲悪でもなく、彼らは破滅の道を辿ったり狂気の世界で生きていくしかないという結末なので、自業自得とはいえ虚しくなる。 全話に登場する『S』なる人物は、時に主人公の敵であり時に主人公のエゴイズムを満たしてくれる存在でもある。またやはり全話に登場する『鴉』は主人公の心の奥底まで見つめる、ある意味主人公の心の鏡のようなそんな存在であった。 自分を邪魔するもの敵対するものを排除しても、どれほど言い訳を重ねても虚に虚を上塗りしても、自分という目だけはごまかせない。結局そこに目をそむける事ができないまま、ある者は虚の世界に生き続け、ある者は破滅していく。 ホラーというよりは自分自身の醜さを見せつけられるような抉られるような作品集であった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一人称で語られるSとのうすら寒いホラー(ファンタジー?)短編6本。 手触りの悪いエピソードばかり・・・ただ一皮むけば人間みんなこんなもんかとも思います。 普段我々読み手は「思うだけ」でとりあえずやり過ごしているけれど、「よし、殺そう」とか「面倒だからやるしかないか」とか、割と気軽にイケないことをやってしまう語り手。 ある意味この人は読み手の我々に代わってやってくれているのかと思う。 はなはだよろしくない行為が連なっているのに、抵抗なく受け入れてしまいましたー。 読んだ後味の悪さに「あぁ、やっぱこれはやるもんじゃなくて、読むもんだな」と再確認させてくれる。 各作品すべて語り手も状況も相手も何もかも違うけれど 語り手が一人称(自分)であること、相手がSと称されること、それとちょこちょこ顔を出す小道具が不思議な幻惑を呼ぶ一冊。
Posted by
読了日2010/02 「鈴虫」「ケモノ」「よいぎつね」「箱詰めの文字」「冬の鬼」「悪意の顔」と、 6編の短編が収録されています。 すごく読みやすいし、短編なのでさくさく読めました。 どの作品も全体的に暗い感じ。どんよりした背景だけど、短編で浅いので読みやすい。 でも、やっぱり長編...
読了日2010/02 「鈴虫」「ケモノ」「よいぎつね」「箱詰めの文字」「冬の鬼」「悪意の顔」と、 6編の短編が収録されています。 すごく読みやすいし、短編なのでさくさく読めました。 どの作品も全体的に暗い感じ。どんよりした背景だけど、短編で浅いので読みやすい。 でも、やっぱり長編好きの私には物足りない感じかな。
Posted by
長編と思ったら短編でした。全ての話にSという人物が登場するため2話目の初めの方まで長編だと思ってました。とにかくどの話も 恐ろしく不気味な話ばかりです。何故名前じゃなくSにしたのかはわかりませんが、2話以降は特に気にならず、最終話のころには、Sでなければという感じになってました。...
長編と思ったら短編でした。全ての話にSという人物が登場するため2話目の初めの方まで長編だと思ってました。とにかくどの話も 恐ろしく不気味な話ばかりです。何故名前じゃなくSにしたのかはわかりませんが、2話以降は特に気にならず、最終話のころには、Sでなければという感じになってました。どの話も引き込まれる内容であっという間に読み切ることができました。「よいぎつね」は手塚治さんの「火の鳥 異形編」に似ているようにも感じましたが、内容も全然負けていませんでした。今度は長編を読んでみたいです。
Posted by
道尾秀介さん、気になっていて初めて読みました 静かにヌルリと底なし沼から現れるような人間…、このテイストハマりそうです
Posted by