熱狂するシステム の商品レビュー
日経新聞書評 社会において新しい様式を取り入れるのに敏感な人と慎重な人の比率、隣人との影響関係などを変数にシミュレーションモデルを用いて解き明かそうという、刺激的な研究書。 「みんなが採用するから自分も」「あまりに広く普及したからやめよう」という個々の個別行動をが生み出す社会気...
日経新聞書評 社会において新しい様式を取り入れるのに敏感な人と慎重な人の比率、隣人との影響関係などを変数にシミュレーションモデルを用いて解き明かそうという、刺激的な研究書。 「みんなが採用するから自分も」「あまりに広く普及したからやめよう」という個々の個別行動をが生み出す社会気質をモデルで記述する。 このモデルで読み解くと、価値観が多様で、差異化志向の強い現代社会は熱狂が頻発する社記ということになる。権力や資本が支配する熱狂ではなく、個人やコミュニティが生成の場となる熱狂は自律的であるが故に、大きな社会変革にもつながりうる。ボランティア活動などの広がりを例にあげるが、ネガティブな側面を検討課題として提示する。 社会を見る新たな視座を与え、読みやすい学術書となっている。 都立中央図書館蔵書
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