人妻初体験 先生の奥さん の商品レビュー
新感覚の誘惑系作品かも
「星野先生、今後ともこの路線でひとつよろしくお願いします」と言いたくなる(というか言ってしまった)内容である。これまで短編を中心に凌辱から誘惑まで幅広く、器用にこなしてきた作者の本格誘惑長編は、耽美な薫り漂うなかなかのものだった。ベタでストレートなタイトルにもなぜか誘われる。世話...
「星野先生、今後ともこの路線でひとつよろしくお願いします」と言いたくなる(というか言ってしまった)内容である。これまで短編を中心に凌辱から誘惑まで幅広く、器用にこなしてきた作者の本格誘惑長編は、耽美な薫り漂うなかなかのものだった。ベタでストレートなタイトルにもなぜか誘われる。世話になっている先生の奥さんという、盲点を突く新味に加えて、先生の帰宅前に専業主婦の奥さんと情交を重ねる背徳感があった。それも、他の誘惑系作品に見られるように夫婦の仲が冷えきっているのでは無く、前半から中盤くらいまで奥さんは夫にアプローチはかけているのである。さすがに主人公が身代わりの当て馬気分を味わうシーンもあるが、奥さんの清楚な部分は損なわれていないので、そうした不快感よりも読み手としてはむしろ夫が関心を示さないことに疑問を感じる。これには不憫な理由があったことが後に判明する。ただ、奥さんとの関係が始まってすぐに娘との関係も始まってしまうので、もう少し奥さんとの蜜月を読ませて欲しかった。奔放な娘は主人公を気に入り、奥さん(母)から奪うべく積極的に迫る。主人公も流されてしまうのだが、あれだけ憧憬の対象だった奥さんを、娘と比較して色褪せたように感じるのはいただけない。どちらにも決められない優柔不断なのだから、違いこそあれどちらも素晴らしいと開き直っていて欲しかった。このままでは全てが発覚して修羅場かと思っていたが、これまでチラチラ出てきていた幼馴染みが絡んできてちょっと意外な展開を迎えた終盤に違いを感じた。休戦から共闘に路線変更する母娘はしたたかでもあったのである。ドラマ性に富んだ読ませるストーリーに比べてエッチシーンがもう少し濃密だったらなぁ、という気もしたので、バランスを修正してこの路線で作品を重ねればいずれ傑作が産まれるのでは、との期待を抱かせる作風だと思う。
DSK
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