トップ屋魂 の商品レビュー
『三越の女帝』など、大下氏自身による取材の流れはとても面白い。 ジャンルにとらわれず、常に人に興味を持ち続けること。 新聞記者はジャンルが分かれてしまうため、個人の興味とは別に特化した専門記者になっていく。 このオールラウンダーぶりは雑誌記者だからこその特長なのかもしれない。人に...
『三越の女帝』など、大下氏自身による取材の流れはとても面白い。 ジャンルにとらわれず、常に人に興味を持ち続けること。 新聞記者はジャンルが分かれてしまうため、個人の興味とは別に特化した専門記者になっていく。 このオールラウンダーぶりは雑誌記者だからこその特長なのかもしれない。人に興味を持つことが一つのジャーナリズムの形なのだなと思う。 時々、ここではこう書いた、ああ書いたという引用箇所が多く、それも非常に興味深いものもあるのだが、どのような流れで進んでいくか見えないため途中ページをめくる指が遅くなった。 ただ、大下氏の這い上がり方は本当に今ではなかなか見られない。 シンデレラマンだ。自分を研鑽し、アイデンティティを確立し、それを表現していくことができるという幸せに恵まれた人だ。 ノンフィクションライター、マスコミ関係者などは一読してみるのも良いかも。
Posted by
様々な人間を描くことに挑み、絶えず己の能力のなさに打ちひしがれ続けた。 人間、鬱状態の時には自殺はしない。自殺するエネルギーがないのだという。 書けるといいんですが、というやつには書けた試しがないぞ、小説を必ず書きます、といえ。 つぶすなら潰してみろ、つぶされてなるものか。 ユダ...
様々な人間を描くことに挑み、絶えず己の能力のなさに打ちひしがれ続けた。 人間、鬱状態の時には自殺はしない。自殺するエネルギーがないのだという。 書けるといいんですが、というやつには書けた試しがないぞ、小説を必ず書きます、といえ。 つぶすなら潰してみろ、つぶされてなるものか。 ユダヤ人は歴史的に国を追われて流浪を強いられたゆえに、ユダヤ人としての血の文化と別の国の文化を少なくとも2つか3つは持たざるをえない。2つの文化を所有することによって1つの文化しな持たない人よりすぐれた感性を磨いていった。在日朝鮮人も同じ。 大下さんのいいところ。 1.どんなことでも面白がる。 2.手を抜かない。 3.絶対にあきらめない。 4.明るく前向き 5.人間をよく知っている。
Posted by
生い立ちから現在まで著者の歩いた道を振り返る。週刊文春のトップ屋時代と作家として独立した当初の頃の取材記が面白い。企業に属する新聞記者などには考えられない、「一匹狼」ならでの孤軍奮闘から彼の著作が生まれたことがよくわかる。
Posted by
- 1