そろばん の商品レビュー
伝説の相場師山崎種二による自叙伝です。もともとは日本経済新聞の『私の履歴書』を下敷きにしたものなのですが、長年非常な勝負の世界を生き抜いてきた男の言葉だけに、含蓄のあるものが多かったです。 この間久しぶりにヤマタネこと山崎種二の自伝『そろばん』を読み返した。実は、大学時代に一度...
伝説の相場師山崎種二による自叙伝です。もともとは日本経済新聞の『私の履歴書』を下敷きにしたものなのですが、長年非常な勝負の世界を生き抜いてきた男の言葉だけに、含蓄のあるものが多かったです。 この間久しぶりにヤマタネこと山崎種二の自伝『そろばん』を読み返した。実は、大学時代に一度、この本の底本になった日経新聞の『私の履歴書』全集で読んでいたのだけれど、今回再読して、やはり勝負師の言葉は普遍だなと思わずにはいられなかった。 山崎種二本人については僕が書くよりも優れたものがネットに出回っているので詳しい経歴はそちらを参照してほしいんだけれども、彼の言葉の中にこういうものがある。 「成名毎在窮苦日、敗事多因得意時」 書き下し文にすると、 『名を成すはつねに窮苦の日にある。敗れること多くは得意の時による』 である。まさしく至言で、この言葉が今の僕には常に胸にとどめている。ちなみに、彼が興した証券会社の『山種証券』と倉庫、運送会社の『ヤマタネ』のうち山種証券は吸収、合併されてSMBCフレンド証券となり、倉庫、物流会社としてのヤマタネは現在でも残っている。 この間、会社四季報でヤマタネの事を調べていたら、子会社に証券会社と商品先物取引の会社があって、 「ああなるほどね。」 と僕はどこか納得していた。彼は美術の収集が趣味で、山種美術館 には多くの絵画が所蔵されているという。いつか、ここにも足を運んでみたい。
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