三島由紀夫・金閣寺 の商品レビュー
陰鬱だが多層的で構造が非常に美しい小説。認識に囚われ、そこから逃れられない人間の弱さの物語だと思う。どこを切っても味わい深いし、そこかしこに三島ならではの繊細で美しい表現が散らばっている。何度も読み直したいと思った。
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三島由紀夫の金閣寺。 今読んでも古びない表現で、綴られるのは、暗き感情。個の、主人公の感情を誠実に描く作品である。 救いもありつつ、破滅に向かう主人公。読んでいて辛さが伝播してきた。 認められたい。誰にでもある感情であるからこそ、名作なのだと感じた。
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美に取り憑かれた哀れな若き修行僧。どんなに醜くても惨めでも、虚構の憧れより現実を生きてくれた方がよい。 最後のシーンで張りつめていた糸が切れてほっとしたのはわたしだけではないはず。 人間臭くたっていいじゃない。
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