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政治をするサル の商品レビュー

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2016/12/15
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1984年(原本1982年)刊。 著者は米ウィスコンシン州マディソン霊長類研究所所属。  遺伝子組成の面で、ヒトに最も近い現存動物たるチンパンジー。そして原型的な言語能力を保持していると目されるチンパンジー。そのチンパンジーがヒトに類する社会性を有する事実は、サル学研究先進国・先駆国の日本人にはなじみ深いかもしれない。  本書は、蘭アーネムのブルゲルス動物園大型野外コロニーで飼育されているチンパンジー集団の観察を通じ、その社会性の実を詳述する。  社会性の保有は自明でも、その行動を具に観察すれば驚きを生む。日本のサル学の泰斗の一人、本書の訳者西田利貞が指摘するとおり、本書の凄さは、その観察眼の鋭さと叙述の豊富さ、具体性の高さにある。  性だけでもない、食餌だけでもない、安定した生活だけでもなく、子育ての有利さだけでもない。  複雑な要因に彩られるチンパンジーの種々の行動とその意味解釈に痺れる。  チンパンジーの社会性分析の古典的名著の名は伊達ではない。

Posted byブクログ