ベン・トー(3) の商品レビュー
気高き狼達の信念と暗黙の結束
まずは佐藤洋クン「素敵な二つ名の襲名おめでとう」と言わねばなるまい。今回も安定した充実振りである。地域密着だからからこそ生まれる、お互い語らずとも理解し合う暗黙の結束みたいなものをテーマにしたことが変化球で良かった。新登場のキャラもいれば前巻からの引き続きもいてバラエティ豊かにな...
まずは佐藤洋クン「素敵な二つ名の襲名おめでとう」と言わねばなるまい。今回も安定した充実振りである。地域密着だからからこそ生まれる、お互い語らずとも理解し合う暗黙の結束みたいなものをテーマにしたことが変化球で良かった。新登場のキャラもいれば前巻からの引き続きもいてバラエティ豊かになりながら、主力メンバーの役割分担も明確になりつつある。白粉さんは、もぅ思う存分好きな世界に没頭していてください。ええ。著莪あやめの、洋だけに見せる甘えんぼ振りも本シリーズの重要なスパイスになっている。前半でお役御免とばかりに後半の登場機会を失ったが、それを補ったのがまさかの槍水仙先輩。今回は先輩が超カワイイ!健気な一面を見せたり、思わぬプライベート公開といったサプライズもあって良かった。 本編は、強過ぎたがために受けた辛い過去を清算しようとする双子の解放の物語である。実は今も昔も無くならない社会問題が背景に隠された、ややシリアスな側面があり、その醜い仕打ちのトラウマに苛まれる双子(姉)の姿には狂気を感じるほど。当初はこの双子の意図することが分からず、何とも言えないもどかしさと一抹の焦燥感を覚えるのだが、少しずつ明らかになっていく過程の面白さを感じながら、クライマックスで一気に解決して盛り上がる展開を楽しめた。逃避と対決、拒絶と寛容が描かれ、かつてと正反対な行動で双子が受け入れられていく怒濤の展開がミラクルながらアツイ。今回も最後で胸がスカッとする心地よい結末である。 余談だが、本巻でもやっぱり出てくる佐藤(父)の武勇伝。今回も○○○○絡みの強烈なエピソードである。このお父さん素敵過ぎ。あと表紙裏の主要登場人物にある最下段の人物に限り頭に『筋肉刑事で』との注釈を要する。これだけ笑える本編以外にもネタが仕込まれている。
DSK
今回はなかなか熱い展開だったんじゃないだろうか。 オルトロスという双子の狼のような、犬のような雰囲気の強い奴が出てきて誰もが勝てない。槍水も負ける。 オルトロスは10年前からスーパーで戦っていて、あまりに勝ちすぎてしまい、周りの狼達から無視される。弁当は取れるが戦えない。二人...
今回はなかなか熱い展開だったんじゃないだろうか。 オルトロスという双子の狼のような、犬のような雰囲気の強い奴が出てきて誰もが勝てない。槍水も負ける。 オルトロスは10年前からスーパーで戦っていて、あまりに勝ちすぎてしまい、周りの狼達から無視される。弁当は取れるが戦えない。二人が弁当を取ると、周りでは楽しそうに戦う。そんな屈辱を受けたのだ。その作戦を考えたのが、ヘラクレスの棍棒という男。ヘラクレスはオルトロスが復活したと聞き、西区に来て佐藤達を作戦に誘うが無視される。西区の狼は戦わずして食べる半額弁当に興味はないのだ。誇りを持って半額弁当を争っている。 ヘラクレスの話を無視して、佐藤達が戦い始めるシーンはかなりカッコよかった。変態という二つ名がついてしまったが、嘘のようだ。 だが一つ気になるのは、ヘラクレスは嫌な誇りのない狼だが、もっと早く登場させて嫌な雰囲気を出して、最後の戦いでのカタルシスを増やして欲しかった。ページの都合もあるのだろうが、その方が1冊の小説としてまとまったと思う。 今回の騒動をややこしくさせているのは、実はあせびの撒き散らした風邪が原因だ。これからどんどん絡んでくるんだろうな。
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半額弁当を巡る物語です。 とにかく、腹が減り、セガサターンを起動したくなる小説です。 今回のメインキャラは、主人公佐藤の幼馴染の著我が居る学校の生徒会の会長&副会長ですね。 前巻の続き的に、佐藤がパンツ一丁で走り回っていたのと、著我が学校に潜入したことを相殺して学校同士の仲が悪くならない状態になったところから開始です。 あと、新キャラの井ノ上あせびがある種のキーキャラですかね。 この子のおかげで、槍水先輩も著我も佐藤も散々な目に会いますし。 佐藤も二つ名がようやく付いたんですが…厄介な二つ名が付いています。 会長&副会長はオルトロスという二つ名をかなり昔から持っていてコンビの戦闘がアホみたいに強いです。 で、地元で食らい付くしたところで、佐藤たちの領域に侵攻してきます。 オルトロスは過去に別の地域で半額弁当の争いでトラウマがあり、そのトラウマをほじくり返してオルトロスを潰しに来るやつも居るのですが…佐藤たちの居る地域でそれをやろうとしたところ、バカにされ無視されトボトボ去っていくわけですが、この辺が読んでてすごくいい気分でしたね。狼たちは強いです。 佐藤と槍水の関係がちょっと変わってきてるのかなとも思ったり。 ところどころ爆笑しながら読んで居たわけですが、非常に楽しくていいです。 夜中に読むと腹がへるので注意。
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半額弁当を巡ってマジバトルって素敵な設定に惹かれて読み始めて、最初はけっこう楽しく読んでたんだけど、だんだん何となく読まなくっていった。 真面目にバカやってる感じとか、無駄な熱さとか好みだったんだけどねえ…… 読んだ後スーパー行くとカゴを見る目が変わる。
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アニメ最終回まで。アクションを字だけで追わせるのは、やっぱり少し難しい。 でも小説だからこその良さも多々ある。ギャグなんかは輝くよね。
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ベン・トーではじめて泣いたエピソードである「オルトロス編」が収録されています。 終盤の展開に感極まって、思わず「そういうことか…」と呟いてしまったほど。この巻でベン・トーという作品が大好きになりました。
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この作者、巻を重ねるごとに弁当の描写が上手くなってきている気がする。 先輩がゲットしたチーズカツ弁当を食べる描写がすごい! 夜中の小腹が空いた時間帯に読んだら軽い拷問だったw
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半額弁当に情熱を注ぐ人達の物語。個性的な双子メインのストーリー。前回よりも文章に惹かれた。弁当の描写が素晴らしい。読んでいると、お腹が空いてくる…。
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弁当ってこんなにセクシーな物だったの!?と涎とともに思う巻。百合っぽい双子や弱った先輩、そして友情がツボ。
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めでたく主人公に二つ名が付いた3巻。 2巻の事後処理から始まり、後半はうなぎ争奪戦へ。 初登場の沢桔姉妹。初め文章じゃ表情や抑揚が分からないのでむかつくキャラにみえたが段々イイ子にみえてくる。そしてピアス。3巻メインの姉妹と同じくらい出番が多かった。このまま良きライバルの立ち位置に収まりそう。
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