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葵祭の始原の祭り 御生神事 御蔭祭を探る の商品レビュー

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2012/09/17

著者があとがきに記しているように「余りにも祭事の次第に固執し過ぎているきらいがある」と思います。 次第書の変遷の比較を通して御陰祭を探る試みは、龍の追い回しによる長手順の詰将棋のようで疲れます。資料編と本論を分けてもらったほうが読者にはありがいと思います。 その点、Monica ...

著者があとがきに記しているように「余りにも祭事の次第に固執し過ぎているきらいがある」と思います。 次第書の変遷の比較を通して御陰祭を探る試みは、龍の追い回しによる長手順の詰将棋のようで疲れます。資料編と本論を分けてもらったほうが読者にはありがいと思います。 その点、Monica BetheのMikage Festival and the Miare Rite: The Origin of the Grand Kamo Festival(Aoi Matsuri)は6頁ほどの英文で簡潔であったように思いました。 この本から得られたことは余りありませんが、井上隆雄のカラー口絵の写真を見ると御生神事のイメージが沸いてきます。 御蔭神社が河合俊雄・鎌田東二の「京都「癒しの道」案内 (朝日新書)」で取り上げられていたのを見て、2008年12月に八瀬から行ってみましたが、とくに癒されることはありませんでした(;^◇^;)ゝ。散歩している老人や土遊びしている子供たちを見た後に、場違いに大きな鳥居を潜って向かった先にあった小さな2つの社を見たのが生命の弱まる冬の日だったせいかも知れません。赤い籬が高野川沿いの道から見えたときに、なんて近いと感じました。けっこう開けていたのでした。

Posted byブクログ