勝負のこころ の商品レビュー
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勝負に勝つための心がけを書いた本である。その心がけに(当然)奇抜なものはない。著者のいうように、「平凡のもののなかに真理がある」のだ。しかし、その心がけを実践するのは容易くない。自分に打ち克つ強い精神力がものをいう。著者は、おのれに克つことを「プロ棋士の初歩であり最終目標である」とこの本で述べている。プロ棋士であること、すなわち勝負に勝つことの礎はまさにおのれに克つことにあるというのが本書の核なのだ。このメッセージを銘記して、今後の人生に活かしたい。 【練習時・平常の心がけ】 ・怠け心を捨てて自分に打ち克つ精神を養う(マラソン型の不断の努力、内弟子時代に学んだこと)。今日の仕事は今日中に片付ける。棒ほど望めば針ほど叶う。 ・うまくいく例を単に真似るのではなく、その心を学べ(分析・考察・自分のものとする)。合理化・効率化を重視するあまり、単に真似るのはダメ ・過去のデータにばかりたよるのではなく、そのデータをさらに上回るような創意工夫を続ける(貯金で生活をするな、過去の照り返しに生きるな) ・自分を気楽な立場に置いておき、肩書きに行動を縛られず、状況に応じて自分の行く道を変える 【勝負に臨むにあたっての心がけ】 ・勝負以前の悪条件を取り除き好条件をつくりだす(健康維持・タバコをやめる・生活の根城の安泰・体を動かし汗をかく・盤面の光の反射具合の調整etc) 【勝負の際の心がけ】 ・勝ち負けにとらわれずにベストを尽くすことに集中する ・相手の実力を正確に測り、自分の力を過信することを警戒する(得意技を過大評価するな) ・間違えないように慎重に考える(最善手と錯覚することを警戒せよ・形成判断を怠るな) ・良い手をさそうとするよりも、悪い手をささないようにする(ミニマックス戦略) ・守りを固め(不敗の態勢を築き)、勝負中にチャンスは複数回やってくるので、先の見通しが7割方たつまではチャンスが来ても冷静になってあえて見逃し、ひとたびチャンスを捉えたら文字通り全力投球する ・悪い局面になったとき諦めたり、やけになったりせずにじっと耐える 【勝負が終わった後の心がけ】 ・勝負で負けても、なぜ負けたかについての結論を早めにだし、悔しさを引きづらない。(楽天的であること) ・勝ったこと・昇段したことに満足しない(満足したら成長がとまる)。 蛇足 大山先生の文は読点が多すぎる嫌いがあるが、その打ち方はかなり理にかなっていて文の骨格がわかりやすい。
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将棋界の巨人、大山康晴15世名人が勝負の極意について書かれた本。 全体的に、将棋の強さと人間性の強さを結び付け、人間としての成長が将棋の強さにつながることが書かれていることが多い。 読んでいた中で一番感銘を受けたのは、一日タバコを100本吸っていたのを止めたエピソードである。...
将棋界の巨人、大山康晴15世名人が勝負の極意について書かれた本。 全体的に、将棋の強さと人間性の強さを結び付け、人間としての成長が将棋の強さにつながることが書かれていることが多い。 読んでいた中で一番感銘を受けたのは、一日タバコを100本吸っていたのを止めたエピソードである。 将棋になかなか勝てなくなり、どうやって自分のコンディションを勝負に合わせるか考えた時、タバコを100本も吸っていると頭がぼーっとするから止めたそうだ。この、勝負に勝つことを最も大事にし、それに行動を合わせている姿勢がすごいなと思った。
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勝負師に絶対必要な条件 物事に集中出来ること さっと忘れることができる楽天家であること 勝つためには実力がものをいう。勝ち続けると、つきはむこうからやってくる。それが本当のつきというものではないか 対局場につくとまず、勝つためのムード作りをこころがける 必勝というよりも不敗という...
勝負師に絶対必要な条件 物事に集中出来ること さっと忘れることができる楽天家であること 勝つためには実力がものをいう。勝ち続けると、つきはむこうからやってくる。それが本当のつきというものではないか 対局場につくとまず、勝つためのムード作りをこころがける 必勝というよりも不敗ということをおもく見るようになった
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羽生さんにも言えることですが、言語化能力が非常に高いため、高みに達した人の考え方や心構えをわかりやすく書かれています。得るところがとても多くおすすめです。
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