子供たちは森に消えた の商品レビュー
ミステリーかと思えば、実際にソ連であった話。 恐ろしいんだけど、淡々としているので、それほど怖くない。 むしろソ連の体制が恐ろしい。 ゲイの人への差別、障がい者への差別。大変な国。
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殺人者の蛮行と、それを止められない社会 ソビエト連邦時代のロシアで起こった、連続殺人事件の顛末を描いている。 50人以上が犠牲となった事件でありながら、終焉までに8年を費やしている。 本書は限られた資源のなかで、犯人を辿っていく刑事側の立場から描かれている。当時のソビエトの捜査...
殺人者の蛮行と、それを止められない社会 ソビエト連邦時代のロシアで起こった、連続殺人事件の顛末を描いている。 50人以上が犠牲となった事件でありながら、終焉までに8年を費やしている。 本書は限られた資源のなかで、犯人を辿っていく刑事側の立場から描かれている。当時のソビエトの捜査体制の一端を知る事が出来る。 実際に想像するとかなり猟奇的な殺人だが、被害者描写はそこそこであったので、最後まで読み切る事が出来た。 犯罪心理学や捜査方法の遅れをひしひしと感じ、この国で殺されたら浮かばれないだろうな、とつくづく思った。 というか、そもそも犯人をこのような犯行に及ばせたのも、社会体制や教育システムの不備、認知度の低さと言えばそれまでなんだけど。 (ついでに、著者が外国人、という点にも色々と考えてしまう)
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彼がもし西側の、水準が高く公正な裁判を受けられていたならば、こういう結末は避けれたのでは…?と思いました。といって、西側の裁判が真に優れたものである、とは言い難いですけど。それを差し引いてもこれは…裁判長が自身の仕事の範囲を超えて他に干渉するのは…それが罷り通るのか…と愕然としま...
彼がもし西側の、水準が高く公正な裁判を受けられていたならば、こういう結末は避けれたのでは…?と思いました。といって、西側の裁判が真に優れたものである、とは言い難いですけど。それを差し引いてもこれは…裁判長が自身の仕事の範囲を超えて他に干渉するのは…それが罷り通るのか…と愕然としました。逮捕から裁判までにも色々と不備が多すぎる。 ですが、彼がこんなにも膨大な人数を手にかけるに至ったのは、単にソ連の技術面で非常に遅れた縦割り警察機構のお陰様なので、それには感謝です。勿論痛ましい事件ではありますが、倫理や道徳観は度外視します。そこは重要ではないです。別問題。 大規模な連続殺人を中心としたあらゆる殺人事件や犯罪心理学に惹かれるきっかけとなったのがチカチーロなのですが、事件について詳細に書かれた文献を読んだのは初めてでした。一層チカチーロが好きになりました。 殺人って面白いですよね。誰にだってそれを成す可能性はあるし、巻き込まれることも同様なのに、人はこれを非日常だと見なし、大抵は意識の外に置いている。不思議。死に関する事項なそういう扱いを受けがちですが、殊殺人に関してはまるでタブーとでもいうかのような避けられよう。なんででしょうね?
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名前が覚えられない。笑 よく完読したなと思う。 正直最後の方意地だった。 犯人は自分を抑えられず 殺した人間の体の一部を 口に含むことまでしてしまう。 想像しただけでグロテスクだが ありえない話じゃないとおもった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
被害者本人や家族にとってはまさに災厄なんだけれど、シリアルキラーは必ずと云っていい程虐待を受けた経験がある。親からの虐待は他者には量りしれない傷を残す。妹を気にかけたり優しい兄である分、自らの手で災いとなってしまった加害者を、簡単に「悪」と思えない人はどのくらいいるだろうか。
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このミス海外部門第1位のチャイルド44の着想の元となった実在の事件の全容を明かした本で、ロシアで52人を殺した男として有名な殺人鬼の話です。 実際の事件はチャイルド44の時代と違い、ペレストロイカの時代より少し前ですが、その官僚組織の腐敗ぶりや、イデオロギーに凝り固まって現...
このミス海外部門第1位のチャイルド44の着想の元となった実在の事件の全容を明かした本で、ロシアで52人を殺した男として有名な殺人鬼の話です。 実際の事件はチャイルド44の時代と違い、ペレストロイカの時代より少し前ですが、その官僚組織の腐敗ぶりや、イデオロギーに凝り固まって現実を直視できない捜査方法はチャイルド44で描かれた時代と全く変わりません。 おそらくソ連邦以外の先進国で発生した事件だったら、数人が殺害された時点ですぐに逮捕できていたことでしょう。 被害の拡大は犯人の残虐性、異常性ではなく、それを助長した社会体制に原因があることがよくわかります。 チャイルド44が面白かった人にはお勧めします。
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T.R.スミス『チャイルド44』を読んでから、こちらを読んだ。 『チャイルド44』を読んだことがあるなら、必読。 事実が書かれているけれど、まるで作り話のようだった。 すごい。
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ノンフィクションは基本的に読まないんですが、題名に惹かれたので読みました。 残酷な話だと思います。犯人はあんなに壊れてしまう前に気がついた人は、直そうとした人は、いなかったのかなあと思いました。 犯人は酷い人に成り果てましたが、大切な者(又は必要とされてなかった者)を失っ...
ノンフィクションは基本的に読まないんですが、題名に惹かれたので読みました。 残酷な話だと思います。犯人はあんなに壊れてしまう前に気がついた人は、直そうとした人は、いなかったのかなあと思いました。 犯人は酷い人に成り果てましたが、大切な者(又は必要とされてなかった者)を失った人は人間の尊い命を学んでほしいです。儚い命が無惨に亡くなって、犯人に対する怒りだけを覚えるのでは犠牲者の命を無駄にしてしまうと思いました。
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「チャイルド44」のネタ本ということで読んでみた。ロシア(ソ連)という国にも興味があるので。 連続殺人犯チカチーロは、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターのような知能犯ではなく、むしろ「サイコ」のモデルになったエド・ゲインの様に精神を病んだ人間であった。 幼いときの戦争の残虐...
「チャイルド44」のネタ本ということで読んでみた。ロシア(ソ連)という国にも興味があるので。 連続殺人犯チカチーロは、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターのような知能犯ではなく、むしろ「サイコ」のモデルになったエド・ゲインの様に精神を病んだ人間であった。 幼いときの戦争の残虐なシーンを垣間見たことや生まれ育った環境、家族との関係の希薄さなど、あらゆることが重なって行われた殺人。そしてソ連の社会体制や組織のいい加減さによってなされなかったかもしれない殺人が重ねられていく。 恐ろしい。 トム・ロブ・スミスの「チャイルド44」とあわせ読むとより興味深いですよ。
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ノンフィクション。 事件そのものよりもむしろ、心ゆくまでロシア!なソ連体制に驚き。 つくづく興味深いお国です。
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