犬のしっぽを撫でながら の商品レビュー
アンネ・フランクへの旅、の数篇は、実際に現地へ赴き、目にしたもの感じたものを実直に描かれており心に響いた。 同じユダヤ人でも、列車に乗せられ殺された者もいれば助かった者もいる。 生き延びた人達は本来有難く、喜ぶはずだが、なぜ自分は生き残ったのか、と疑問を抱き、自身が獲得した 生 ...
アンネ・フランクへの旅、の数篇は、実際に現地へ赴き、目にしたもの感じたものを実直に描かれており心に響いた。 同じユダヤ人でも、列車に乗せられ殺された者もいれば助かった者もいる。 生き延びた人達は本来有難く、喜ぶはずだが、なぜ自分は生き残ったのか、と疑問を抱き、自身が獲得した 生 を後悔し憎むようになる。生きながらも自分自身を責めている。これは辛い。 これが戦争、ひいては虐殺の後遺症ではないか。 人間らしい感情、価値観を混乱させ、後々の人生にも甚大な悪影響を及ぼす。 甲子園球場や列車など、沢山の席がある場所で、混乱せず皆自分の席に座れるのは、「数字」があるからだ。 →この考え方は斬新だ。 そしてとても納得出来た。 数字は物事を管理し統制するためには合理的かつ適当である。 暑い日に 「暑い!」と、分かっていることをなぜわざわざ口に出すのか。 そうだ、人間は言葉を知っているからだ。 言葉はマイナスの感情と相性が良いから、口から一緒にイライラや不機嫌さが撒き散らされる。 この表現も言い得て妙だ。 本当に、なぜ暑いとか、ムカつくとか、良くないイメージのことは簡単に口から出してしまうのだろう。 幸福なことや前向きなことがもっと言葉として身辺を彩れば、日常は明るく楽しいものになるであろうに。
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久しぶりに小川洋子さんを読みたくて。 アンネの話も、犬の話も、タイガースの話も、何度も読んでいるはずなのに、毎回しっとりと心に染み込んできてまた大好きになる。
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『博士の愛した数式』に関連したエッセイが最初に10本も続く。 「数の不思議」の世界をもう一度感じることができた。 次のテーマは「書く」ということへの想いやこだわり、ワープロや机といった書くために必要な物の話題などが語られる。 そしてごく自然に「書く」行為を問い直すためのアンネ...
『博士の愛した数式』に関連したエッセイが最初に10本も続く。 「数の不思議」の世界をもう一度感じることができた。 次のテーマは「書く」ということへの想いやこだわり、ワープロや机といった書くために必要な物の話題などが語られる。 そしてごく自然に「書く」行為を問い直すためのアンネ・フランクの足跡をたどる旅の話に繋がる。 小川洋子さんのアンネ・フランクへの想いが伝わってきた。 後半はこんな暮らしをして来たんだよ、という雑多な日常の出来事の思い出話になる。 犬(ラブラドールの子犬のラブちゃん)と野球(阪神タイガース)が重要な生活の一部になっている様子が微笑ましい。 「犬のしっぽを撫でながら」というタイトルなのに、犬の話はあまり多くないですが、犬を飼おうと思った理由が書かれていた。 阪神タイガースが好きになった理由も。 最後の章は、子供の頃を中心とした家族や近所のこと。 本にまつわる話もちょくちょく出てくる。 小川洋子さんは子供の頃のピュアな感性を大人になっても持ち続けている。 ### 阪神タイガース、38年ぶりの二度目の日本一。《 オ・メ・デ・ト・ウ 》
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読むといつもふふっとなる。 悲しくなると何故涙がでるのかという話で小川洋子さんってすごく精神的に純粋だなぁということと 子供の頃の感覚を失わないまま大人になった人なのかなと思った。読んでいるととても落ち着く。
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今まで読んだエッセイにもラブちゃんが登場するのですが、これを読むと何故、犬を飼おうと思ったかがわかります。その理由がまた親近感を感じてしまいました。それから、ラブちゃんと初めての散歩や、もし小川洋子さんがサッカー選手や水泳の選手だったらって話がとても面白くて、私の頭の中ではギャグ...
今まで読んだエッセイにもラブちゃんが登場するのですが、これを読むと何故、犬を飼おうと思ったかがわかります。その理由がまた親近感を感じてしまいました。それから、ラブちゃんと初めての散歩や、もし小川洋子さんがサッカー選手や水泳の選手だったらって話がとても面白くて、私の頭の中ではギャグマンガ風の動画が再生されているような気分でした。
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エッセイをあまり読んでこなかった私。 小川洋子さんの作品もいくつかしか読んだことがないのだけれど、『作品』じゃなくて『作家その人』が好きになるってあんまりなかった体験。 着飾らなくて、なんだかぬけてて、なんて自信のない方なんだ…!と驚いたりしながら楽しく読めました。 これは日記か...
エッセイをあまり読んでこなかった私。 小川洋子さんの作品もいくつかしか読んだことがないのだけれど、『作品』じゃなくて『作家その人』が好きになるってあんまりなかった体験。 着飾らなくて、なんだかぬけてて、なんて自信のない方なんだ…!と驚いたりしながら楽しく読めました。 これは日記か?というような文章もあったりして、こんな小川さんがちょっとダークな世界を描いたりしてるのかと思うと、作家さんってすごいな…と改めて感じたりしました。
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小川洋子さんのエッセイ集を読んだのは、『とにかく散歩いたしましょう』と『カラーひよことコーヒー豆』に続いて3冊目。3冊の中でもこの本は、他の2冊に比べて小川さんの熱量がかなり高かったように感じました。 内容が『博士の愛した数式』に関連したことや、小川洋子さんの愛する『アンネの日...
小川洋子さんのエッセイ集を読んだのは、『とにかく散歩いたしましょう』と『カラーひよことコーヒー豆』に続いて3冊目。3冊の中でもこの本は、他の2冊に比べて小川さんの熱量がかなり高かったように感じました。 内容が『博士の愛した数式』に関連したことや、小川洋子さんの愛する『アンネの日記』を巡る旅のことであったりと、特に思い入れの強い事柄について書かれていたからだと思います。 いつものエッセイでは限りなく控え目で、街行く人々の人生に物陰からこっそり拍手を送っているような小川さんの熱に触れることが出来たような気がしました。 でもやっぱり、本の最後に納められた「自信満々の人」という話では、 -自分に自信がないことに関しては、私は大いなる自信を持っている。自信のなさを競う世界選手権があったとしたら、必ずメダルを獲得できる自信がある。- というお洒落な文章で小川さんらしさが全開になっていました。優しくて、本人曰く色々間違えることが多くて心配性で、繊細で豊かな創造力を持つ小川さんが、作家さんになってくださって本当に良かったなあと思える本でした。
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小川さんの優しさや温かさにあふれたエッセイ集。 タイトルだけ見て借りたのだけど…なぜ表紙が犬のしっぽではないのか?というところに、大いなる疑問が残る。 愛犬ラブちゃん、阪神タイガース、ご家族、著書「博士の愛した数式」やアンネ・フランクへの追憶…テーマがまとまっているような、いな...
小川さんの優しさや温かさにあふれたエッセイ集。 タイトルだけ見て借りたのだけど…なぜ表紙が犬のしっぽではないのか?というところに、大いなる疑問が残る。 愛犬ラブちゃん、阪神タイガース、ご家族、著書「博士の愛した数式」やアンネ・フランクへの追憶…テーマがまとまっているような、いないようなパートもあるんだけども、そのひとつひとつから小川さんの人となりが感じられる、優しい文章とお話。 祖父のお話の構成で、最後に「最近、死んだ人のことを思い出すことが多くなった」というような言い回し(うろ覚えでごめんなさい)を持ってくるところで、ものすごく切なさを誘われた。なんとなく、本文の冒頭や途中に出てくるのであれば何も感じなかったと思うのだけど、雲丹をなめてお相撲を見ている二人の背中を想像していた団欒がこの一文で締められることで自分も年を取ったなぁ、と突きつけられた気がしてしまって。 あと自信がないことに関してすごく自信がある、というお話にはすごく共感してしまった。私もメダル取れるかも、と思うけど、こんな謙虚で控えめな文章かけないからやはり小川さんの勝ちか。。。 -- 数に隠されている神秘と美しさ。その偉大な真理に向き合う芸術家ともいえる数学者たち。ひとつの作品を生み出すきっかけや、小説へのあふれる想い。少女時代の『アンネの日記』との出会いとその後のアウシュヴィッツへの旅。そして天真爛漫な飼い犬や大好きなタイガースのこと。日々の中の小さなできごとや出会いを、素晴らしい作品へと昇華していく小川洋子の魅力あふれる珠玉のエッセイ。
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『博士の愛した数式』の著者によるエッセイ。自身の執筆活動についてや、日常生活でのエピソード、また、アンネ・フランクへの想いもつづられている。 どんなことにインスパイアされて作品を生みだすのか、その礎となるものは何か…作家の裏話を聞いているようで、興味深かった。筆者のこれまでの作...
『博士の愛した数式』の著者によるエッセイ。自身の執筆活動についてや、日常生活でのエピソード、また、アンネ・フランクへの想いもつづられている。 どんなことにインスパイアされて作品を生みだすのか、その礎となるものは何か…作家の裏話を聞いているようで、興味深かった。筆者のこれまでの作品の誕生秘話についても言及されるので、まだ読んでいない作品も読みたくなる。筆者のあたたかい人柄が感じられる1冊。
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へえ~こういう人だったのか。意外! お母さんだったり、野球が好きだったり、思いのほか普通。 あ!博士の愛した数式の設定そのままか。そうかそうか。
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