日本は悪くない の商品レビュー
タイトルを見ててっきり太平洋戦争ものかと思っていたが、これは経済本。 1987年(昭和62年)にドえらい経済博士が書いたものだ。 1987年と言えばまさにバブルまっしぐら。誰もバブルがはじけるとは思ってなかったし、 20年後にこんな世界的不況がやってくるとは思ってなかった。 世界...
タイトルを見ててっきり太平洋戦争ものかと思っていたが、これは経済本。 1987年(昭和62年)にドえらい経済博士が書いたものだ。 1987年と言えばまさにバブルまっしぐら。誰もバブルがはじけるとは思ってなかったし、 20年後にこんな世界的不況がやってくるとは思ってなかった。 世界中がイケイケドンドンのこの時代に、これは虚構の金で砂の城が建ってるだけなんだぞ、 自粛しないと破綻するぞと叫んでいたこの先生はすごい。 全ての元凶は1981年にレーガン元大統領が行った大減税にある。と冒頭から結論を出す。 大減税により購買力が増強し、内需拡大につながり産業活動が活発になると目論んだがそうはいかず、 膨らんだ購買力は外へと向かい異常な輸入基調経済が生み出された。 輸入が輸出をはるかに上回ったのだ。 驚いたことに、債務超過国へと転落したアメリカは、それを自国の責任と認めず、 日本をはじめとする輸出超過国へと責任転嫁する。 「市場を開放しろ!米買え!肉買え!」と言うのだ。 まず自国の過剰輸入をストップさせることが先決だというのに。 そしてもっと驚いたことに、「ご無理ごもっとも」と日本もそれに迎合しているのだ。 ドル神話を信じ、アメリカ経済に頼っているかぎり日本も共倒れになる。 アメリカに貸したお金はもどってこない、とぐらい思っていたほうがいい。 このままではアメリカ経済の破綻は必ずやってくる・・・・って早く言ってよ〜!! ていうか、文春文庫さんもこんな世界的不況に陥ってから、 「ほらね」的にこんな本出さないで、早いとこ文庫化して教えてほしかったな〜。 で、このドえらい先生はこれからどうすればいいと言っているかというと、 「これからの日本は江戸時代のような姿になるのがいい。 文化とか芸術とか教養に力を入れる時代になるべきだ。」ですって。
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