教室へ の商品レビュー
〈だから私は教育の中枢だけに集中する事にしました。それは教室です。教室で日々起こる事をひたすら綴るのです〉 という著者あとがきをまず心に置いてから読み始めると読みやすいと思います。 パリ19区はアラブ系やアフリカ系の移民が住む貧困地区であり、主人公はこの19区の中学校で国...
〈だから私は教育の中枢だけに集中する事にしました。それは教室です。教室で日々起こる事をひたすら綴るのです〉 という著者あとがきをまず心に置いてから読み始めると読みやすいと思います。 パリ19区はアラブ系やアフリカ系の移民が住む貧困地区であり、主人公はこの19区の中学校で国語を教える教師です。この地区の子供たちはフランス語すらまともに話せないことが多く、学力も低いことで有名なようです。 小説の中では、それに輪をかけて総じてやる気がない教師たちが目立ちます。たとえば問題児は即校長室へ連行して説教、もしくは退学にしてしまったり、日常生活でも職員室で互いの傷をなめあうように愚痴ったり、憂さを晴らすように「やってられない!」と同僚に向かって叫んだり。自分たちの〈能力の限界〉を露呈する教師陣は殺伐としています。 それに呼応するかのように、子供たちの問題行動はますますひどくなっていき、ついに〈私〉と生徒たちとの信頼関係も崩壊する。 教育問題の解決の糸口がまったく見えない現実は悲惨ですね。ただ、ラストではほんの少し希望が見えた気がします。 ※この小説を原作にした映画『パリ20区ぼくらのクラス』はカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞。主演は著者。
Posted by
映画「パリ20区ぼくらのクラス」の原作。世界各地からの移民の子どもたちばかりの底辺の学校の生々しい実情のドキュメント。日本でも、豊田、浜松あたりだと、ここまでひどくなくても、各クラスに数人のブラジル人の子どもがいたりする現実があるので、とてもよそ事には思えない。いろいろと考えさせ...
映画「パリ20区ぼくらのクラス」の原作。世界各地からの移民の子どもたちばかりの底辺の学校の生々しい実情のドキュメント。日本でも、豊田、浜松あたりだと、ここまでひどくなくても、各クラスに数人のブラジル人の子どもがいたりする現実があるので、とてもよそ事には思えない。いろいろと考えさせられる。
Posted by
翻訳ってこともあってかなかなか読みにくかった。 内容的にはほぼ映画(「パリ20区、僕たちの教室」)と同じ。 映像のほうがより感覚的に理解できる。 客観的に書こうとしているかんじ。 1年間を通してのコレージュ(中学校相当)の話。
Posted by
- 1