千すじの黒髪 わが愛の与謝野晶子 の商品レビュー
人気作家が読み解く、…
人気作家が読み解く、愛と劇場の女流歌人の姿。読み甲斐があります。
文庫OFF
内容紹介 "星の子"與謝野鐵幹を中心に、絢爛たる恋の火花を咲かせる女流歌人たち。その愛の本然的な姿態を"みだれ髪"の晶子に託し、評論家諸氏の絶讃を博した長篇ロマン!
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自宅の本棚の整理をしていたら、母が昔に読んだと思われる本が出てきたので、思わず手に取って読み始めてしまった。 与謝野晶子について興味があったわけではないのにズルズルと引きずり込まれるようにして読了してしまった。田辺聖子の語りがうまいからであるが、与謝野晶子という人物の魅力にはめら...
自宅の本棚の整理をしていたら、母が昔に読んだと思われる本が出てきたので、思わず手に取って読み始めてしまった。 与謝野晶子について興味があったわけではないのにズルズルと引きずり込まれるようにして読了してしまった。田辺聖子の語りがうまいからであるが、与謝野晶子という人物の魅力にはめられたとも言える。 与謝野晶子が美人ではなかった。それなのに人生をかける大恋愛をし、それを大胆不敵に和歌にして詠みあげてしまった。今から百年以上前の、明治の頃にである。女性として、その大胆な生き方を、愛を貫き通したことに、一種の尊敬の念を覚えた。 私自身の個人的な状況が、さらに晶子に共感を覚えるようにさせるのだろうと思う。この年になって大恋愛をし、結婚に至ったということ、男女の愛の奥深さを体験するようになったから、晶子の気持ちも十分にわかる。ただ、夫の寛という人間は、あまりにも身勝手すぎて、今の時代には存在し得ないと思うし、晶子も他の女性もよほどかわいそうな思いをしたと思うと、許せない気持ちにもなるが。 明治時代の文壇の様子を知ることができたのは、意外な副産物で、とても勉強になった。 いずれにせよ、この本は大恋愛を体験した人が読むならとても良いと思う。そうでない人が読んだ場合には、ついていけないと思うだろうから。
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与謝野晶子が主役ですが、与謝野鉄幹の事がより理解できる物語になっています。最初は、鉄幹とは、なんていい加減な男なんだろう(怒)と憤慨しましたが、最後まで読むと考えが変わりました。
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