残される者たちへ の商品レビュー
レトロな昭和といった、下町人情物語風を想像して読み始めた。 だが、内容は全く異なりSFチックなものだった。それに気付いたときには、ややショックを受けたが、読み進めるうちにどんどん引き込まれ、結局は一気読みだった。主人公の視点がどんどん切り替わりながら展開するタッチはいかにも小路幸...
レトロな昭和といった、下町人情物語風を想像して読み始めた。 だが、内容は全く異なりSFチックなものだった。それに気付いたときには、ややショックを受けたが、読み進めるうちにどんどん引き込まれ、結局は一気読みだった。主人公の視点がどんどん切り替わりながら展開するタッチはいかにも小路幸也らしく、ハラハラドキドキしながらページをめくり続けた。 次の展開が気になって仕方がないワクワク感を感じる面白さとともに、ヒューマンドラマが軸にあった点も非常に良かった。自分自身にも幼子がいることもあってか、子どもはみんなの宝であり、みんなで守るものという視点で物語が進められているのは、大変心が温まった。
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団地を舞台にした、ノスタルジックで不思議な物語。 記憶にない同級生、ないはずの記憶、などなど謎めいた要素がいっぱいだけれど、いったいどういう物語なのかはなかなか分からず。ちょっと奇想天外な物語でした。でもなんだか優しさも感じられる作品。
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方野葉団地。 そこに今も住んでいる人たち、かつて住んでいた人たち。 彼らはそれぞれ、不思議を抱えていた。 かつての隣人であり、友達の記憶が抜け落ちた、川方準一 事故を機に、亡くなった母親の記憶を持つようになった、芳野みつき みつきの主治医である、藤間未香 40歳近い今でも団地に住...
方野葉団地。 そこに今も住んでいる人たち、かつて住んでいた人たち。 彼らはそれぞれ、不思議を抱えていた。 かつての隣人であり、友達の記憶が抜け落ちた、川方準一 事故を機に、亡くなった母親の記憶を持つようになった、芳野みつき みつきの主治医である、藤間未香 40歳近い今でも団地に住み続ける、押田明人 小学校の同窓会を機に、彼らは、交差し、より不思議な事件に巻き込まれていく。 SFでもあり、ミステリー要素もある、面白いお話でした。 しかしラストは切なかった。 数ページごとに語り手が変わる形式で、読みやすかったし、それがミステリー要素を引き立ててたように思います。 タイトルが、全部ではないですがジャズの曲名になっていて、ジャズ好きにはたまりませんでしたw 小路幸也さんは、本当に多彩な文章を書かれる方ですね。 手に取る本、手に取る本、全く雰囲気が違います。 読むまでどんなタイプの小説か予想がつきません。 この『残された者たちへ』なんて、最初の何章かは、ファンタジー要素もSF要素もまだ薄く、まさかこんな話だとは思わずに読んでいました。 東京バンドワゴンシリーズで小路さんが好きになったのですが、出てる本全部読みたいです。
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これはとても好きな本。 何度も読んでます。 ミステリーだけど素敵な話。 この二つの部分がうまく重なっていると思います。 残されるものたちへ。 タイトルもいい。
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ストレートにミステリー。団地で育った人々の過去の記憶と現在の生活、未来へと引き継がれるもの・・という「いい話」でもある。
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http://seigerecht.blog.fc2.com/blog-entry-261.html
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小路幸也にはまって読んだ 非現実的なものは受け付けないんだけど、うまーく現実の世界から誘われてしまった! ファンタジー的でもあり、ミステリー的でもあり、◯
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読んでいる最中、小池真理子の『墓地を見おろす家』が思い出されて仕方なかった。 題材や組み立てはいいのだが、終盤の展開に無理を感じるし、全体的になにかもどかしさが残る。 もっと「彼ら」の切なさや苦しさを表現できれば、さらに素晴らしい作品となっていただろうに… 小路さんの作品は初めてなので、次はバンドワゴンシリーズを読んでみます。
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図書館。東京バンドワゴンのシリーズが気に入っていたので借りてみた。途中までは続きが気になって仕方なく、大きい本なのに通勤読書に持ち込んでみたが、ラスト3分の1で残念。団地という題材は、重松清のもそうだが、何か心を引っ掻くな。
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小路作品としては珍しい形態の作品です。 ちょっぴり不気味…ホラー?ファンタジー?SF? 団地住まいを経験したことがある方なら一層感じるものがあるかも…
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