ほんとうのエネルギー問題 の商品レビュー

池田清彦【著】

2018/10/29

池田氏の夕学五十講(2008年12月9日)でセミナーを聞いてきました。,温暖化問題懐疑派で、ファンも結構いらっしゃる方のようです。,理論生物学に裏打ちされた超長期的な分析が参考になりました。,なにしろ、多面的なものの見方のスタディという意味で特に勉強になりました。,終盤は、場内笑いが絶えなかったです。,,◆骨子,・昨今世の中は、CO2削減ばかりに躍起になっている。これもひとつの「環境問題」である。,・石油はなくなっていくので、代替エネルギーの開発は重要。しかし、合わせて人口を増やさないシステムも整備しなければならない。,・代替エネルギーは、補助金目当ての技術はダメ。,・温暖化でCO2が4倍に増えたとしても、白亜紀と同等で生物は反映している。,・温暖化論者は、50〜100年先といった自分が生きていない将来の悲劇を論じていて、実に無責任。,・温暖化対策は、費用対効果上、実に無駄。他のことに使うべき。,・コストを無視した環境問題対応が問題である。,・排出権取引は、EUなど当事者の本音は、トレードが活発になるようためにCO2が減るとは思っていないはず。実に、矛盾している。元栓を締めずにやっているのはおかしい。（金持ちの国から貧乏の国へ金を後ろめたさなく金を回す仕組みとしては評価できるが）,,◆印象的なフレーズ,・エイズはバイアグラ,・プレパンデミックワクチンは、火葬場従業員が優先的に割り当てられる。,・高学歴ワーキングプア,・時間圧縮、空間圧縮されたエネルギーは、高効率。,・中野の小学生へ、くだらないゴミの分別を止めて、勉強（高効率PVを開発するため）しなさいといった。,・（質問された方）排出権取引は、免罪符。今後、マルチン=ルターのような人物は、現れないのか？

2010/12/23

『ほんとうのエネルギー問題』（池田清彦、2008年、KKベストセラーズ）

3例目ですが、1点をつけました。内容がひどすぎるためです。
（１）生物学者が、環境問題・エネルギー問題について専門的なことを書いている、ここに正確性の疑問があります。

（２）次に、データやグラフの表示がまったくない点。たとえば、他国のエネルギー対策の章では、国別の対策を一覧で見られるような工夫をしたり、二酸化炭素の話ならその排出の推移がわかるようなグラフがほしいところですね。

（３）最後に、誤植や用語のまちがいが多すぎる。学術書として信頼できませんね。ひどすぎる。例をあげてみましょうか。

「スマイリーアイルランド原子力発電所事故」（p42）
「BRICKs」（p72）　→韓国を含めている。
「…輸入相手国はカナダ、メキシコ、ベネズエラといった欧州諸国が中心…」

こんな本より読むべき本がきっとあると思いますよ…。

（2010年12月23日　大学院生）

2009/10/04

やや期待はずれ。エネルギー問題の核心に鋭い分析が入ることを期待して呼んだが、個々の代替エネルギーにどんなものがあり、どんな長短があるかを羅列的に論じているにすぎなかった。基礎知識を得るには良いかもしれないが、テーマを絞って追求するというタイプの本ではない。