虹の降る滝 の商品レビュー
「たんぼの季節」「日本の面影」「おこめ」など、多数の写真集を出版し、日本の自然や伝統文化をテーマに撮影を続けるイギリス人写真家が執筆した小説。 著者自身も体験した第二次世界大戦の最中、フランスの田舎を舞台に展開する、美しい登場人物たちの運命の悲劇。 著者は、アクロバット・エ...
「たんぼの季節」「日本の面影」「おこめ」など、多数の写真集を出版し、日本の自然や伝統文化をテーマに撮影を続けるイギリス人写真家が執筆した小説。 著者自身も体験した第二次世界大戦の最中、フランスの田舎を舞台に展開する、美しい登場人物たちの運命の悲劇。 著者は、アクロバット・エンターテイナー(曲芸師)として世界各国を旅しながら、訪れる国々の風景を撮影し、やがて写真家として活躍するようになった。初来日は1969年、日本全国を巡り、自然の美しさに魅了され、74年以来、日本に定住している。 「曲芸師をしているあいだに私はフランスを回り、第一次世界大戦や第二次世界大戦中に祖父や叔父が戦った場所にも行った。フランスの田園風景の美しさを発見し、本書の着想を得たのはその時だ…」と、あとがきにある。構想はずっと大切に温められ、その50年後、「プロ写真家が初めて書いた小説」という形で現実になった。 若き医学生フランツが、運命の女性シモーヌに出会ったのは、フランスの古めかしい村ポートネイ。野生のツリガネソウが咲く森の小径を抜けて「虹の滝」へ…。幸せの絶頂にあるはずの2人に用意された残酷な悲劇…。時は1920年、そして20年後の1940年。物語は次世代に渡り、さらに戦中の悲劇を展開していく。(S)
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