歴史としての現代日本 五百旗頭真書評集成 の商品レビュー
現・防衛大学校校長の五百旗頭真(日本外交史)が1996年以降務めてきた毎日新聞紙上での書評を中心に130数編を6つの章に編集・集成したもの。 【構成】 第1章 歴史の中の日本 第2章 20世紀を生きる人々 第3章 変わりゆく戦後日本 第4章 アメリカという例外国家 第5章 不実...
現・防衛大学校校長の五百旗頭真(日本外交史)が1996年以降務めてきた毎日新聞紙上での書評を中心に130数編を6つの章に編集・集成したもの。 【構成】 第1章 歴史の中の日本 第2章 20世紀を生きる人々 第3章 変わりゆく戦後日本 第4章 アメリカという例外国家 第5章 不実の故郷 アジアを求めて 第6章 世界認識のフロンティア 本書に収められている書評はその多くが、近現代日本政治外交史、国際関係論、政治学、経済学、人物評伝である。 五百旗頭真という日本屈指の外交史家の書いた書評集に対して、評者のような浅学の人間が書評を書くというのは恐れ多い気がする。130数編のうち20冊程度は読んだことがあるが、それらについて自分が書いた書評と著者の書く書評とでは、前提となる知識・教養に雲泥の差があるということを思い知らされる。 また、著者は実証を重んずる歴史家でありながら、自由闊達な文章表現、現在進行形の状況に対する高い感度と鋭い感性を持ち合わせている。こんな書評を書いて、現代世界を考えられたらどれほど面白かろうと思わざるを得ない。 外交史家が見つめる現代世界を知る上でも、今後の読書ガイドとしても、非常に役立つ一冊である。
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