ヤン・ウルリッヒ 僕のツール日記一九九七 の商品レビュー
1997年、ドイツ人で初めてツール・ド・フランス総合優勝を勝ち取ったヤン・ウルリッヒのツール日記。この年のツールは私にツール・ド・フランスの面白さを初めて教えてくれた忘れられない年だ。あの年、1997年ドイツ中がウルリッヒに熱狂し、国中にテレコムの白地にショッキングピンクの旗がた...
1997年、ドイツ人で初めてツール・ド・フランス総合優勝を勝ち取ったヤン・ウルリッヒのツール日記。この年のツールは私にツール・ド・フランスの面白さを初めて教えてくれた忘れられない年だ。あの年、1997年ドイツ中がウルリッヒに熱狂し、国中にテレコムの白地にショッキングピンクの旗がたなびいた。祝賀ムードが国全体を包み、記念セレモニーがあちこちで開かれ、ニュースで放映された。それまでツールを名前ぐらいしか知らなかった人間にも自転車ロードレースに興味を持たせてくれたのだ。あの熱狂は忘れられない(笑)この本は1997年ツール・ド・フランス総合優勝者ヤン・ウルリッヒのツール日記だ。どちらかというと…ツール初心者にオススメかもしれない。「選手が何を考えて長いレースを走るのか?」「何が選手を悩ませるのか?」「レース中チームメイトとはどう過ごしているのか?」「アシストの役割は? etc.etc.」誰もが抱く基本的な質問への答えがすべて載っているたんたんとつづられた個人のツール日記と、記者の解説的な1997年ツールレビューが交互に続いている。その分「ツール優勝」というドラマティックな感じがあまりないのが少し残念。マスコミの熱狂ぶりがもの凄く、一日の競技が終わっても朝も夜も取材攻勢で休んでいる暇もなかったらしい。スターになるのも大変だ。質実剛健なドイツ人気質が良く現れている素朴な印象を受ける文章だった。ヤン・ウルリッヒはその後ランス・アームストロングの7連覇に阻まれて万年二位に甘んじる事になり、飲酒運転や薬物疑惑などで契約を解除されたりと不遇のまま選手生活を終えた。しかし彼がツール・ド・フランスで総合優勝した唯一のドイツ人であり、ドイツの英雄であることは間違いない。次にドイツ人が優勝してくれるのはいつなのかな?
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