ベンヤミン 子どものための文化史 の商品レビュー
前半は、ドイツの子供が聞いたことがありそうな、歴史的事件、人物などに対する、ベンヤミン流の解説、後半はベルリンの人や街の解説からなる。 後半は、ベルリンについての知識が無いと分かりにくい。ベルリン特有の言い回しについての記述は、多分翻訳ではわからない。 前半は、選択されている題材...
前半は、ドイツの子供が聞いたことがありそうな、歴史的事件、人物などに対する、ベンヤミン流の解説、後半はベルリンの人や街の解説からなる。 後半は、ベルリンについての知識が無いと分かりにくい。ベルリン特有の言い回しについての記述は、多分翻訳ではわからない。 前半は、選択されている題材、見方ともに、非常に面白い。魔女裁判、山賊、カリオストロ、バスティーユ監獄、リスボン地震など、時代、場所も様々ながら、ヨーロッパの共通意識を作っている物事に対する20世紀の進歩的知識人としての解釈を与える。 日本でこういう本を書くとしたら、忠臣蔵や、天皇などを題材にするのだろうか。幅広い雑多な事柄に、自分の解釈をつけていくことは、日本の専門家には難しそう。
Posted by
来年からのゼミの教授が薦めてくれた本のうちの一冊。 子どものため と、書いてあるけれど、 大人も十分楽しんで読むことができます。 実際に、ドイツでベンヤミンが子ども向けに ラジオ放送していたものを、収録したようです。 彼の子どもに対して語りかける口調が 非常に優...
来年からのゼミの教授が薦めてくれた本のうちの一冊。 子どものため と、書いてあるけれど、 大人も十分楽しんで読むことができます。 実際に、ドイツでベンヤミンが子ども向けに ラジオ放送していたものを、収録したようです。 彼の子どもに対して語りかける口調が 非常に優しくて 信頼して聞くことができる。 そんな一冊。 内容としては、 目次を見るだけでも心が躍るような 魔女裁判 ジプシー カリオストロ 盗賊 ヴァスチーユ監獄に囚われた王子 ファウスト博士 銀行切手詐欺 などなど、 歴史上スポットライトが 当たっていない人々、物事の話ばかり。 面白いです。
Posted by
- 1