ハブテトル ハブテトラン の商品レビュー
小学5年生の男の子が、東京でギスギスしてたのに、2学期だけ広島へ転校すると、あっさりキラキラしていくお話。素直でさわやかで、スカッとする。でもすごくリアリティに溢れていて、わたしもまわりのひとやものに、支えられているんだなぁとあらためて思った。
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本と目が合って、手にとった作品。主人公の小5男児は、オバハンが頑張り想像して生み出した虚像だなあ、と思った。なぜかというと、私が頭の中で考えている少年像と酷似しているから。本当の小5男児とはこんなんじゃないよなあ、と思いながら読んだ。かといって、つまらない話しじゃないんだけれど。...
本と目が合って、手にとった作品。主人公の小5男児は、オバハンが頑張り想像して生み出した虚像だなあ、と思った。なぜかというと、私が頭の中で考えている少年像と酷似しているから。本当の小5男児とはこんなんじゃないよなあ、と思いながら読んだ。かといって、つまらない話しじゃないんだけれど。むしろ爽やかで、楽しかった。また中島京子作品を読みたいと思う。
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真面目で素直な小学五年生の少年の成長物語。ちょうど長女と同じ年なので、東京の学校の描写がいちいち頷ける。「子どもらしい子ども」というか、年相応に素直に育った子どもが生き辛くなっている気がするのはなぜだろう。彼は広島の大自然や祖父母とその友人を始めとする周囲の人たちに温かく迎えられ...
真面目で素直な小学五年生の少年の成長物語。ちょうど長女と同じ年なので、東京の学校の描写がいちいち頷ける。「子どもらしい子ども」というか、年相応に素直に育った子どもが生き辛くなっている気がするのはなぜだろう。彼は広島の大自然や祖父母とその友人を始めとする周囲の人たちに温かく迎えられて、ゆっくりと心を休ませることができた。広島の学校の担任は東京のそれとは対照的な人で、こういう先生はいいし、こういう先生がいられる学校はいいと思う。子どものうちは学校が生活の大半を占めてしまうから気づきにくいけれど、学校は全てじゃない。他に居場所があることの大切さを改めて感じた。
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ティーン向きの本だったけど、中島さんが好きなので読む。 まず題名、なんだろうと思ったら 「むくれてる、むくれていない」という備後弁らしい。 学校に行けなくなった小学5年生のダイスケ君が お母さんの故郷の学校に行くことになり・・・ってお話。 それだけきくと、重い内容っ...
ティーン向きの本だったけど、中島さんが好きなので読む。 まず題名、なんだろうと思ったら 「むくれてる、むくれていない」という備後弁らしい。 学校に行けなくなった小学5年生のダイスケ君が お母さんの故郷の学校に行くことになり・・・ってお話。 それだけきくと、重い内容って思うけど ダイスケ君自身がさっぱりと自分を分析してて 全然重くなく、あっけらかーんとした話だった。 瀬戸内海の魚や郷土料理などがとてもおいしそうだった。 文章も簡単であっという間に読了。後味も良かった。
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「冠婚葬祭」の「最後の祭り」と通じる田舎のよさを描いた、一人スタンドバイミー。 ティーンズ向きと思いますが、これは私は好きな話でした!
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+++ 広島県・松永を舞台に、はずむような備後弁でつづられた物語。 +++ タイトルは呪文かなにかかと思ったら、【「ハブテトル」とは備後弁で「すねている、むくれている」という意味。「ハブテトラン」は否定形。】とのことである。 東京の小学校で居心地の悪い思いをし、ストレスから体調...
+++ 広島県・松永を舞台に、はずむような備後弁でつづられた物語。 +++ タイトルは呪文かなにかかと思ったら、【「ハブテトル」とは備後弁で「すねている、むくれている」という意味。「ハブテトラン」は否定形。】とのことである。 東京の小学校で居心地の悪い思いをし、ストレスから体調を崩したダイスケは、二学期をママの両親が住む松永で過ごすことになる。その二学期の物語である。やわらかで大らかな備後弁が松永の年中行事や級友たちとのやりとりすべてを包み込んで、読者をものんびりとした気持ちにしてくれる。辛いものを抱えたダイスケだが、松永の暮らしに否応なく巻き込まれていくうちに、少しずつ自分を取り戻し、強くもなったように見える。三学期、東京に戻ってからのことは描かれていないが、きっと一学期よりも上手くやれることだろう。備後弁のリズムと懸命に漕ぐ自転車が切る風が心地好い一冊である。
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私は感情移入して読むタイプである。 だから、度を越したダークな話や救いのない小説は無意識のうちに避けてしまう。逆に、感情に訴えかけてくるような小説やわくわくドキドキする小説には登場人物の隣に立っているような気分で読みいってしまう。 そのルールに従えば、本書ものめり込むよ...
私は感情移入して読むタイプである。 だから、度を越したダークな話や救いのない小説は無意識のうちに避けてしまう。逆に、感情に訴えかけてくるような小説やわくわくドキドキする小説には登場人物の隣に立っているような気分で読みいってしまう。 そのルールに従えば、本書ものめり込むように読み進めていたのだろうが、どうにもいつもと感触が違った違った。 ページの中に入ってその世界を肌で感じるというよりも劇場でスクリーン越しに見ているような気分だった。かといって、他人事のように傍観しているのではなく、知らず知らず拳を握り、「そうだ」「頑張れ」と無意識に口にしているのである。 それはおそらく、第三者的かつ説明的な描写を一切排他したストーリーの描き方のせいだろう。徹底的に小学五年生に寄り添った描き方は見事で、読んでいる側にはわからない苦労があっただろう。 知ったようなことを回りくどく書いているが、最終的な着地点は「とっても素敵だった」の一言に集約される。 特に終わり方は非常に秀逸だと感じる。 平凡で平凡な終わり方なのだけれど、すごく風情のある「らしい」幕引きだった。中島さんの他の著書も読みたくなった一冊だった。
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美味しそうな食べ物がたくさん出てきます。プリントップは実在するのでしょうか?気になるところですね。他の料理は瀬戸内海の海の幸を用いたものでとても美味しそうです。こんなところが実家だったら良いと思えてきますね。人情に溢れたやりとりに暖かいものを感じます。こんな町だから、お母さんも息...
美味しそうな食べ物がたくさん出てきます。プリントップは実在するのでしょうか?気になるところですね。他の料理は瀬戸内海の海の幸を用いたものでとても美味しそうです。こんなところが実家だったら良いと思えてきますね。人情に溢れたやりとりに暖かいものを感じます。こんな町だから、お母さんも息子を送り出したのでしょうね。ダイスケ君、良かったね。私もいつの日か、瀬戸内海の上を自転車で走りたい!
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随分前に読了、忘れてた。学童向けながら、備後弁の軽妙さがテンポをつくるご当地本。NHK「てっぱん」 見てる人にもお奨め。二重の楽しさあり。
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なんて、素敵! 直木賞受賞以前に読みたかったな。 今は直木賞作家だもん、当然だよね、 なんてついつい思ってしまう。 東京の小学校での日々に疲れた僕 母方の祖父母の暮らす「松永」出2学期を過ごすことになって… 都会育ちの僕にとって、松永での日常はいわば冒険。 そんな冒険を繰り返...
なんて、素敵! 直木賞受賞以前に読みたかったな。 今は直木賞作家だもん、当然だよね、 なんてついつい思ってしまう。 東京の小学校での日々に疲れた僕 母方の祖父母の暮らす「松永」出2学期を過ごすことになって… 都会育ちの僕にとって、松永での日常はいわば冒険。 そんな冒険を繰り返して行く成長物語なのだけれど そこはやっぱり語りのうまさ。 くすくす笑わせながら、ぐいぐいと物語世界に引っ張ってくれる。 ああ、久しぶりに瀬戸内海を眺めたくなってしまう。 備後弁の温かさも大事なポイントの一つ。
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