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金剛石のレンズ の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2010/10/11

短編集で、なんかマニアックなかんじ。ホラーっぽいのもあり、SF風のもあり、でもとにかく描写が繊細でちょっと病的で、好きな人は大好きだと思います。いきなり「やーめた」みたいに終わってる話があるのも、なんかおもしろい。 私は表題作の『金剛石のレンズ』や、『失われた部屋』、『墓を愛し...

短編集で、なんかマニアックなかんじ。ホラーっぽいのもあり、SF風のもあり、でもとにかく描写が繊細でちょっと病的で、好きな人は大好きだと思います。いきなり「やーめた」みたいに終わってる話があるのも、なんかおもしろい。 私は表題作の『金剛石のレンズ』や、『失われた部屋』、『墓を愛した少年』などが好き。 ところでこの作者、33歳の若さで亡くなってるんですね…。なんかこう、わかる気がします。 2010/10/4 読了

Posted byブクログ

2009/10/04

>斬新なアイディア、卓抜なプロット、透徹した文体、流麗な描写によって生み出される小説は、前人未到の領域を次つぎに切り開き、その八面六臂の活躍たるや、まさに変幻自在の小説の魔術師と呼ぶにふさわしいものだった。 収録作品は14編。 『金剛石のレンズ』 『チューリップの鉢』 『...

>斬新なアイディア、卓抜なプロット、透徹した文体、流麗な描写によって生み出される小説は、前人未到の領域を次つぎに切り開き、その八面六臂の活躍たるや、まさに変幻自在の小説の魔術師と呼ぶにふさわしいものだった。 収録作品は14編。 『金剛石のレンズ』 『チューリップの鉢』 『あれは何だったのか』 『失われた部屋』 『墓を愛した少年』 『世界を見る』 『鐘つきジューバル』 『パールの母』 『ボヘミアン』 『絶対の秘密』 『いかにして重力を克服したか』 『手妻使いパイオウ・ルウの所有する龍の牙』 『ワンダースミス』 『手から口へ』 SFでもファンタジーでもホラーでもなく、同様にそれら全部でもある。空想科学ではなく、惹句では幻想科学小説と謳っている。F・J・オブライエンの諸短編を見る限り、それ以外の形容は難しい。 まず驚かれるのは、その文章。和訳の力もあろうが、この手の作品にこれほど完璧な文体は珍しい。読むだけでこちらの知的ならぬ文学的好奇心が刺激される。 そして、着想。各タイトルを見ただけでもその多様さが分かるだろう。東洋と西洋の潮流が400ページの中には詰まっている。 ベル・エポックな作品ばかりだが、今の時代にはまさに金剛石のような異彩と煌きを放っているように思えるだろう。 解説に因れば、現時点で判明しているオブライエンの小説はもう一冊短編集を編めるほどあるらしい。 残りは普通小説ばかりらしいが、是非とも発刊を望みたい。 夭折させるには惜しい才能――時代の流れに埋もれさせるには惜しい作品ばかりだ。

Posted byブクログ