森に眠る魚 の商品レビュー

角田光代【著】

2024/06/30

5人の女性を中心に進む話です。

最初は各々子供をからんだ出会いがあり、いい感じで仲良くなるのですが、どんどんとお互いの歯車が狂っていき、そこに小学受験もからみ、仲のいい友達から、あの子よりうちの子が1番。あの子より、いい小学校に入れたい。という、変な関係になっていき。

何があっても、明日はちゃんとくるんだよ。

その言葉が印象に残ったのですが、それにしても、自分の話をあの人に聞いて欲しい。あの人ならどう思う？という依存も強くなり、その依存がおかしな行動になったりと、ちょっと恐怖も感じました。(でも、嫌いでは無い)

もうちょっと、相手を思いやる心が欲しかったと思いました。

2024/05/10

女が3人集まれば派閥ができる
女友達の難しい関係性が上手く描かれていて恐怖から読む手が止まらなかった
現実社会にも他人が気になる女はたまにいて嫉妬から陰口を言い出すし、言ってる自分は正しいと思い込んでるところが怖い
SNSにもそんな女が沢山いる
私は私、人は人とどうして割り切れないのだろうか
人は目に見えない事やわからない事について勝手に想像する
それはほとんど負の感情となり憶測でものをいう
もっとしっかり自分を持っててほしい
そして他人を羨ましく思うな

2024/05/01

先の見えない暗い森の中を彷徨うかのような母親たち。だんだん狂気じみていくそれぞれの心の中が、自分と重なり合うようで怖かった。
何かに執着し過ぎるのは悲劇しか生み出さない。

2023/12/25

五人のママ友とお受験の話。
見栄や妬みやドロドロとした面倒くさい話。
でも面白かった。

皆んな病んでる感じだし、影響されてこっちも病みそう。
子供が小さい頃って1人じゃ不安だし、話せる人は必要。けどこれはキツい。

2023/09/02

帯から想像してた通りのどろどろ感。
でも途中、病みまくって、あーこの調子だと下手したら殺人とかまで発展しちゃうんじゃないか、とかハラハラしながら読んだけれど、そこまでいかなかったのが救いかな。

2023/05/27

同じ母親という立場の目線で読んだため、お受験を通しての泥沼にはあまり共感はできず…。でも努力が苦手で自信が持てない自分は今までの人生で考えると勉強や受験、就活などで感じたことのある劣等感や焦りの感情に似てるのかなと思った。（とは言えあまり考えてなかったのでここまでドロドロした感情ではないけど笑）
周りに流されず、自分を保つのって難しい。けど子供まで巻き込む話なので読んでいて辛くなった。
人は人、自分は自分ということを大事にしたいと思えた。

2023/05/20

私はまだ妊娠中で子供はいないけど、子供がいる友達が、小学校を私立にするかどうしようかという話をしていて、なんだかすでに嫌な感じがしたのを思い出した。
時代が今より20〜30年前の設定だけど、そんなに変わっていないのかもしれない。
また、私は幼稚園の時小学校受験をしたけど、親達はこんな感じだったのかな…と思ったら、私の親は大丈夫だったのかなと思った。

どの親も闇を抱えているな…と思った。
一番印象に残ったのは、衿香ちゃんの心療内科の先生が、「今衿ちゃんに必要なのは、投薬ではなくて、ちょっとくらいの失敗なんて、たいしたことないと思えること」と話す場面。母親自身が小さな失敗を恐れていて、子供にもそう教えてこなかったことに気づくところ。
自分はそうならないように気をつけようと思った。

2023/02/01

幼稚園のママ友として、小学受験なんて考えてないと仲良くお付き合いしていたママ達。でも、段々お受験の情報などが入って来ると、それぞれ今のままでいいのかと、お互い探り合い、また牽制しながら、お受験に翻弄されていく。そうこうしてるうちに、お互い疑心暗鬼になり、付き合いも殺伐としてくる。私のまわりでは公立小へと考えてる人がほとんどだったから、本当にこんな感じなのかなぁと。読んでて、心の中がモヤモヤイライラして仕方なかったけど、最後にはそれぞれが自分は自分、人は人と言うことを掴みかけてるようで、少しホッとしました。

2022/08/27

出会った頃はとても仲がいいママ友だった。それがお受験の声を聞いた頃から歯車があわなくなるように崩れていった。嫉み、妬み、感情のもつれでみんな壊れた。実際はこれ程までないとは思うが怖くなる。

2021/06/26

受験を意識してから母親たち全員が全員狂っていくのはフィクションならではの展開だけど、そのきっかけや狂い方がリアルで理解できなくないものなのが生々しい。
自分もこんなママ友が身近にいたらどうなっていたろうか。
適切な距離を取れていたか、巻き込まれていやしないか想像しただけで恐ろしくなる。

都内文教地区の幼稚園や私立に通わせる母親たちが皆こういうわけではないけれど、実際に早期教育やお受験への熱量が高いのは事実であるし、「教育虐待」という社会問題も新たに取り沙汰されるようになっている。

個人的には幼稚園受験も小学校受験もそれをビジネスにするお教室も一切合切無くなってほしいな…