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背徳のメス の商品レビュー

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2022/11/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

一時、直木賞作品をすべて読もうと思い立ち、かなりの数を集めた。まだコンプリートはできてないが今も古本屋などで持ってないものを見かけるとテンションが上がる。もっともまだ手元にないものは、かなりの古書価がつくものが多く、購入には二の足を踏んでしまうが・・ さてこの作品、昭和三十年代半ばの受賞作。高度成長期への入り口時代の作品になると思う。全体として重苦しいので好みは分かれる作品かもしれない。 格差や差別偏見は今からは考えられないレベルであるのが作品を通してよく分かる。ただ底辺に生きる人々も活気だけはあり、逞しく貪欲に生きる人間の力強さを感じる。 ストーリーは自分を殺そうとした犯人を探すのがメインストーリーになるが、謎解きそのものは途中で何となく分かる感じがする。 題名がおそらくダブルミーニングなのだが、謎解きそのものより、男と女の業、特に女の性を作者は描きたかったのではないだろうか。

Posted byブクログ