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閉ざされた海 の商品レビュー

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2020/02/08

関が原での敗戦の後、遠島の刑により八丈島で果てた宇喜多秀家の墓に遭遇した作者は、碌に記録の残っていない秀家の流刑地での姿を空想によって描いてゆく。 その妻豪姫と秀家との、黒潮によって隔てられた孤独の生涯を、想像力によって埋めていくのだが(それが作家の仕事とはいえ)よくぞここまで...

関が原での敗戦の後、遠島の刑により八丈島で果てた宇喜多秀家の墓に遭遇した作者は、碌に記録の残っていない秀家の流刑地での姿を空想によって描いてゆく。 その妻豪姫と秀家との、黒潮によって隔てられた孤独の生涯を、想像力によって埋めていくのだが(それが作家の仕事とはいえ)よくぞここまで綿密にまた哲学的に膨らませてゆくものだと、感じ入る。 豪姫の故郷、加賀の前田家は、流刑以後260年にわたって八丈島の宇喜多家に対して物資を送り続けたという史実があるそうだ。気の遠くなるような年月にわたってそれを続けさせた原動力となった、豪姫の秀家とその息子たちに対する思慕の念を、哀切に描いて大変巧みである。 名のある小説ではないが素晴らしい一冊。

Posted byブクログ

2010/06/25

テンションは低めというか終始静かに流れていく感じです。 お豪はずっとずっと秀家の事を想っていたんだな…と。

Posted byブクログ