ユリイカ 詩と批評(2007年7月臨時増刊号) の商品レビュー
音楽にはただ感じて楽しめばよいというもの以外に、ああだこうだと言ったり聞いたりする「言説」とセットになっているたぐいのものがわたしにはあって、大友さんとか菊地成孔さんなどの存在は大変に重要である。彼らの言葉は音楽と同様に大いにわたしを刺激し促進させてくれる。音楽の持つその他全般へ...
音楽にはただ感じて楽しめばよいというもの以外に、ああだこうだと言ったり聞いたりする「言説」とセットになっているたぐいのものがわたしにはあって、大友さんとか菊地成孔さんなどの存在は大変に重要である。彼らの言葉は音楽と同様に大いにわたしを刺激し促進させてくれる。音楽の持つその他全般へのアナロジーは目下わたしの思考の中心かもしれない。 大友さんとは同年同月しかもわりと近いあたりで生まれている。これもまたわたしの勝手な刺激だ。
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ノイズミュージックに「意味があるのか?この音楽にメッセージはあるのか?」と聞かれ「例えば壁の色を職人さんが白く塗って、その白色を見て落ち着いたり、あるいは楽しくなったり、心を動かされことはある。職人さんがそこに何か意図がなくても、見た人が何かを感じるかも知れない。音楽にもそうい...
ノイズミュージックに「意味があるのか?この音楽にメッセージはあるのか?」と聞かれ「例えば壁の色を職人さんが白く塗って、その白色を見て落ち着いたり、あるいは楽しくなったり、心を動かされことはある。職人さんがそこに何か意図がなくても、見た人が何かを感じるかも知れない。音楽にもそういうことが言えるのかも知れませんよ」というようなことを大友さんが答えていて、かなり胸に残った。
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大友良英のキャリア概括でなく、音色そのものを追及する即興性を、関係者の寄稿を中心にさらりとなめる。音楽制作のプロセスや録音/編集へのこだわりをテクニカルな追求や、ライブの遍歴記述もほしかったが、製作の観点で記された記述はごくわずか。形而上を志向する、いかにもユリイカらしい切り口。...
大友良英のキャリア概括でなく、音色そのものを追及する即興性を、関係者の寄稿を中心にさらりとなめる。音楽制作のプロセスや録音/編集へのこだわりをテクニカルな追求や、ライブの遍歴記述もほしかったが、製作の観点で記された記述はごくわずか。形而上を志向する、いかにもユリイカらしい切り口。興味深く読め、大友良英の音楽を聴きたくなる。本書を読んで音楽をわかった気には、絶対になれないから。音楽への好奇心を沸き立たす良質のテキスト。即興の「間違い」を適切に述べた、岸野雄一のテキストが素敵。
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