サンタ・エクスプレス の商品レビュー
冬がテーマとなっている読みやすい短編集。 誰もがこの中のどれかの話に通ずるところがあると思う。 くすっと笑えたり、涙ぐんだり、昔を懐かしんだり、色々な気持ちになった。でも、どの話も読み終えた後に心がほっと温かくなった。 個人的には、「ネコはコタツで」が好き。 遠く離れて1人で住...
冬がテーマとなっている読みやすい短編集。 誰もがこの中のどれかの話に通ずるところがあると思う。 くすっと笑えたり、涙ぐんだり、昔を懐かしんだり、色々な気持ちになった。でも、どの話も読み終えた後に心がほっと温かくなった。 個人的には、「ネコはコタツで」が好き。 遠く離れて1人で住んでいる祖母のことを考えながら読んだ。 ドキドキする急展開とかハラハラする事件とかそういうものではなくて、日常の中の一部分を切り取った平穏なお話であり、今の私にはぴったりハマる一冊だった。
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再読。短編集なんで、軽く読めました。 1番好きなのは、サンタエクスプレスかな。こういうサプライズっていいですね。 あっつあつの、ほっくほくも好き。
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短篇集「季節風」シリーズの冬。冬に準じた12篇。 冬といえば、焼き芋とこたつ。クリスマス、年末年始があり、雪と受験。そして卒業と旅立ち。なごり雪も青春時代も卒業式も。思い出がいっぱい、いっぱい詰まった冬。思い出すこともあれば、忘れてしまいたいことも。そして、春を待つのも冬。 『コーヒーもう一杯』:「東京っていう魔法にかかってたんだろうね、ずっと……」その呟きは、そのまま私の声かもしれない。そして、私はまだ魔法がかかったままだ。もう、憧れも夢も残っていないのに。 『サンタ・エクスプレス』:涙が止まらなくなってしまった。ふと、JR東海のクリスマス・エクスプレスのCMを思い浮かべていた。クリスマスのバカっ、意地悪っ。 『サクラ、イツカ、サク』:大学の合格発表のシーン。何のために東京に出て来て、大学に通っているのか、と問う。そして、それが遥かな過去の想い出になった今でも、答えがわからない。「やり直せるものならやり直したい」誰もが、”あの日”の自分を省みる。
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寒い冬の陽だまりのような暖かな作品たち。 心の底の方に陽が当たり、ポっと暖かくなってくる。 この季節風シリーズは、本当に暖かい作品ばかりで、大好きなシリーズになった。 今までの自分の中での短編集のイメージを覆し、短編集の新たなイメージを与えてくれた。
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以前電子書籍で読んだ「コーヒーもう一杯」を含む短編集。どれもあっという間に読めて,どれも重松清テイストたっぷりで,畳みかけるようにしみじみしてしまう。 (サクラ、イツカ、サク) 城北大学の合格発表日,映画サークルはバンザイ隊と称して合格者に1回50円でバンザイをする資金集めをし...
以前電子書籍で読んだ「コーヒーもう一杯」を含む短編集。どれもあっという間に読めて,どれも重松清テイストたっぷりで,畳みかけるようにしみじみしてしまう。 (サクラ、イツカ、サク) 城北大学の合格発表日,映画サークルはバンザイ隊と称して合格者に1回50円でバンザイをする資金集めをしている。卒業できずに今年退学になるマルオ先輩と1年の僕は,間違えて不合格だった女の子に声をかけて泣かせてしまう。
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「じゅんちゃんの北斗七星」が一番好きだったというか、共感したというか、心に残った。 大人が思う以上に子どもは、いろんなことに気がついて、大人より大人っぽく理解して、飲み込んでいることがたくさんある。 そういうこと、忘れたくない。
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どことなく懐かしい冬を題材にした12の小説を収録した短編集。まさにお正月休みに読むのにぴったりな、ほぼハッピーエンドな小説が並んでいる。初詣、雪の降る気配、焼き芋の熱い甘さや包んだ新聞紙の匂い、など冬の懐かしい空気を感じさせる描写がよかった。その時代の色を描くのもうまく、当時の感...
どことなく懐かしい冬を題材にした12の小説を収録した短編集。まさにお正月休みに読むのにぴったりな、ほぼハッピーエンドな小説が並んでいる。初詣、雪の降る気配、焼き芋の熱い甘さや包んだ新聞紙の匂い、など冬の懐かしい空気を感じさせる描写がよかった。その時代の色を描くのもうまく、当時の感覚が生き生きと甦る。特に「コーヒーもう1杯」では年齢が近いせいか、親近感が強かった(作者の年齢を見たら私よりちょっとお兄さんだった。)。「ラジオをレィディオと発音するんだと教えてくれたのは佐野元春」、「テニスのラケットはスパゲティの湯切りに使えるんだと村上春樹が教えてくれた」には、思わずにやり。そして私の青春時代も、ドイツが東西に別れていてソビエト連邦が存在して、下村満子の「ソ連人のアメリカ観」を読んで感銘を受けていた。やはり私も自家焙煎の店で初めて買ったのはマンデリンだ。田舎から出てきた主人公の気持ちも、地元に帰る彼女の気持ちも、この時代に生きたからこそわかる、「よくある風景」だ。「じゅんちゃんの北斗七星」も身内に障がい者がいるので、とても身につまされる話だった。それと同時に、南にひしゃくを描くような、そんな鷹揚な空気があれば、もっとお互い楽しく過ごせるのに、と思う。「サンタ・エクスプレス」もちょっとほろりとくる。この作者が子供の視点で書く話はどれもいい(「その年の初雪」などもよい)。子供のいじらしさに胸が打たれる。私にとっての悪い点はふたつ。団地の話だとこの人の話はどうも暗い。昭和の団地のネガティブなイメージが色濃すぎて、ハッピーエンドでも拭えないというか。(実はそれがつらくて同じ著者の「ビタミンF」は途中でやめてしまった。)それから、少しきれいにまとまりすぎているかな、ということ。新聞の夕刊に毎週掲載された話を集めた、というから、おそらくはほのぼのとした読後感は、ひとつの決められたテーマなのだろう。悪くない、とは思うけれど、ときおり他人事のように書かれていると感じることもあった。「ネコはコタツで」の黒豆の件とか、「冬の散歩道」のおばちゃんとか「ごまめ」の絵馬とかはちょっとできすぎている。と感じた。でも読後感が悪くないので、おすすめ。
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冬にちなんだ短編集。季節風のシリーズ4巻もこれで読了。 クリスマス、正月、節分、立春、バレンタインデー、合格発表、寒さの中でも人のあたたかさにほっこりとした気持ちになる。 田舎を遠く離れて独居する母との想いをえがく「ネコはコタツで」など、自分自身のズルさを含めて大いに共感した。 12-69
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あーそーだったな。二〇数年前を思い出させてくれました。 「コーヒーもう一杯」の年上の彼女。甘酸っぱいな! 「バレンタイン・デビュー」はめちゃタイムリー。うちの長男は貰えたのだろうか?確かに父は心配だ。
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