1,800円以上の注文で送料無料

指導力 の商品レビュー

3.3

7件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2017/11/03

『宋名臣言行録』の中から、各時代ごとに特徴的な人物のエピソードをピックアップして解説した本。北宋の歴史的展開と、それを主導した名臣と呼ばれる士大夫たちの考えや評価をリンクさせて見ることができる。特に、北宋の政治がどのように破綻していったのかを分かりやすく理解できるだろう。 難点は...

『宋名臣言行録』の中から、各時代ごとに特徴的な人物のエピソードをピックアップして解説した本。北宋の歴史的展開と、それを主導した名臣と呼ばれる士大夫たちの考えや評価をリンクさせて見ることができる。特に、北宋の政治がどのように破綻していったのかを分かりやすく理解できるだろう。 難点は冗長な書き下し文で、普段から漢文に親しんでいない人には、せっかくの面白い内容を十分に理解できない部分もあり、非常に勿体ないことをしている。今ならちくま学芸文庫から『宋名臣言行録』が発売されていて入手しやすいと思うので、これと併せて読むことをお勧めしたい。

Posted byブクログ

2015/02/25

山本七平"〔宋名臣言行録〕の読み方"を読む。 宋代の功臣・大官百人あまりの伝記を朱子がまとめたもの。をさらに現代日本への影響という観点から著者が抜粋したもの。『宋史』に拠り歴史を追いつつ名臣たちの振る舞いに触れることができます。 そこそこ名の知れた韓琦、范...

山本七平"〔宋名臣言行録〕の読み方"を読む。 宋代の功臣・大官百人あまりの伝記を朱子がまとめたもの。をさらに現代日本への影響という観点から著者が抜粋したもの。『宋史』に拠り歴史を追いつつ名臣たちの振る舞いに触れることができます。 そこそこ名の知れた韓琦、范仲淹、欧陽脩などのほか、高官に登れず地方官で終わった硬骨漢についても名臣の例として採られています。 科挙制度のためもあり、博覧強記の才が重んじられていた気配がありますが欧陽脩のエピソードは破格です。 朝廷派閥論というべき『朋党論』でズバズバとその得失を語る欧陽脩ですが、伝統的士大夫の出ではなく、墨筆も買えない貧家に生まれ、地面に荻で字を書いて勉強したと伝えられます。しかしその「敏悟」すなわち頭の良さは想像外で、一度目に触れた文章はすべて暗唱でき、科挙にトップ合格。しかし直言の度が過ぎてついに宰相にはなれなかったとされています。いまでいう高知能アスペみたいなもんでしょうか。政治家=知識人だった時代ならではの人物とみえます。 明哲保身、韜晦、伝統中国の理想と人間の類型がここに集められています。

Posted byブクログ

2014/06/22

宋名臣言行録が気になっていたので、入門書として読了。 原著の成立背景や歴史的背景の説明もあり、入門書としては良いと思う。 しかし、漢文の書き下し文が多く、古典の知識がないと咀嚼できない部分があるのは、悪い点であると思う。

Posted byブクログ

2011/06/15

創業と守成という観点から中国古典の政治家について論評する。正直私の漢語の理解が甘く理解不十分だが、あまり読む価値がないということはわかった。同系統の本で「帝王学」「孫子の読み方」の方がお勧めできる。

Posted byブクログ

2010/09/27

宋名臣言行録の存在に気になっていたため、まずは参考書として本書を手に取った。漢文書き下し文もなかなか読み応え有る内容だ。宋の政治の体制が過去の王朝の歴史を踏まえて、中央集権国家となったこと、殿試を設けたことが大きな特徴であったが、対外的な強さを発揮することはできなかった。その内側...

宋名臣言行録の存在に気になっていたため、まずは参考書として本書を手に取った。漢文書き下し文もなかなか読み応え有る内容だ。宋の政治の体制が過去の王朝の歴史を踏まえて、中央集権国家となったこと、殿試を設けたことが大きな特徴であったが、対外的な強さを発揮することはできなかった。その内側で指導したトップの裏側、意思決定、権力闘争、現代にも通じる示唆に富む。

Posted byブクログ

2011/10/22

 宋の神宗の時代、時の宰相王安石は、衰退に向かう宋を立て直すべく、政治改革に挑み、財政再建策として、新法を次々と公布して実施に移していったが、派閥闘争や地主や商人の反発を招く形となり、次第に孤立し、改革は失敗に終わってしまう。これにより宗の衰退がさらに進んでいくことになる。  「...

 宋の神宗の時代、時の宰相王安石は、衰退に向かう宋を立て直すべく、政治改革に挑み、財政再建策として、新法を次々と公布して実施に移していったが、派閥闘争や地主や商人の反発を招く形となり、次第に孤立し、改革は失敗に終わってしまう。これにより宗の衰退がさらに進んでいくことになる。  「宋名臣言行録」を昔の日本の指導者は良く読んでいたそうです。合理的な考えで良く構成された王安石の新法が政治・社会に受け入れられなかった点、明治までの人たちは、「宋名臣言行録」から教訓を得ていたのでしょう。  現代の民主党政治がこのような形にならなければよいが。ちなみに、王安石は、優れた人物なのだが、詐人(変な男)と言われていたとのこと。

Posted byブクログ

2016/03/10

明治天皇が帝王学の教科書として愛読し、徳川家康も恐らく読んでいたと考えられる、「宋名臣言行録」。まとめたのは、南宋の儒者、朱子学としてその思想が伝えられる、朱子です。著者は、日本に与えた影響という文脈において「宋名臣言行録」に興味を持ち、その精髄の箇所に絞って、背景とともに読み解...

明治天皇が帝王学の教科書として愛読し、徳川家康も恐らく読んでいたと考えられる、「宋名臣言行録」。まとめたのは、南宋の儒者、朱子学としてその思想が伝えられる、朱子です。著者は、日本に与えた影響という文脈において「宋名臣言行録」に興味を持ち、その精髄の箇所に絞って、背景とともに読み解いていきます。 この本は二つの読み方ができると思います。一つはタイトル通り、指導力とはどういうものかを、古典の事跡に基づいて考えるため。もうひとつは、宋という時代をどのような人々が作ったのかを知るための、「宋名臣言行録」の内容のダイジェストとして。私は一度目は前者、二度目は後者として読んで、それぞれ得るところがありました。 指導力という観点からは、平時にどのようにして政治は腐敗してゆくのか、それを改革しようとした時、どのような困難に出会うのか。それはいつの時代にも存在する問題であって、今の日本でももちろん、いろいろな示唆を与えてくれます。やはり人事というのは政治の要だということ、事をなすにあたって、上がぐらついてはならないということ。 宋という時代については、その基調としての文治主義がどのような精神に基づいて導かれたのか。太祖(趙匡胤)の性格ももちろん重要ですが、それがどのような背景において文化として定着するに至ったのか。その歴史においてどのような問題が生じ、改革はいかに進められ、どのような経緯を辿ったのか。

Posted byブクログ