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月への梯子 の商品レビュー

3.5

28件のお客様レビュー

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2010/01/09

知能障害のあるアパートの管理人がアパートで起こる殺人事件を境に知能が戻る。面白いかったけれど、ん・・・切なさがあるんだけれど、面白い。

Posted byブクログ

2011/09/30

 死んだ母親が遺してくれた小さなアパートの管理人として、幸せに暮らしている主人公・福田幸男、40歳。通称、ボクさん。知能は小学生くらいなのだが、事件をきっかけにある変化が……。切なく哀しい物語。裏表紙には「長篇ミステリー」の文字はあるけれど、ミステリーを読みたいと思って本書を読む...

 死んだ母親が遺してくれた小さなアパートの管理人として、幸せに暮らしている主人公・福田幸男、40歳。通称、ボクさん。知能は小学生くらいなのだが、事件をきっかけにある変化が……。切なく哀しい物語。裏表紙には「長篇ミステリー」の文字はあるけれど、ミステリーを読みたいと思って本書を読むとちょっとズレを感じると思う。多くを望まず、小さな幸せ感の中を平和に暮らしているだけなのに、どうしても悪意が入り込んでくる。日常にあるささやかな幸福や、人のあたたかさにホッとできるし、思いやり、優しさを嬉しくも感じた。でも、そんな生活も裏を見ると、思いも寄らない苦しみが潜んでいたり、小さな悪意から大きな犯罪まで企まれていたりする。それが哀しく、悔しくさえ感じた。本書は「ネタばらし」厳禁の作品で、最後の落とし処はとても大切なところだ。結末をそう書いた著者の気持ちをいろいろと想像してしまうところだ。読み始めたときは、他の作品が脳裏を横切った。たとえば、ダニエル・キイス著の『アルジャーノンに花束を』がまず思い浮かんだ。それと、ロバート・デニーロが演じた映画「レナードの朝」。でも、展開はまったく違うし、なによりその大切な落とし処が異なる。ただ、どの物語のラストも、余韻の切なさは同じくらいに深い。思わず溜息が出てしまう。自分だけ知らないのは怖い。でも、すべてを知ることが幸せとは限らない。人生の矛盾を、深く考えさせられた。

Posted byブクログ

2011/09/29

樋口有介さんの本を読むのはじめて何を書いてもネタバレになりそうですが同じ世界でも 見る人によって見え方が違うんじゃないかそう思うお話でした他の本も読んでみようかな

Posted byブクログ

2009/10/07

なんて哀しい話しなんでしょう...。 もちろん泣きましたよ...でも...心地良い涙ではなく 本当になんか哀しくて...ね。 このストーリーってどう評価するのがいい事なんですか? 決してイヤではないですが、大事で大切なことを 突きつけておいて、フラっていなくなってしまうような...

なんて哀しい話しなんでしょう...。 もちろん泣きましたよ...でも...心地良い涙ではなく 本当になんか哀しくて...ね。 このストーリーってどう評価するのがいい事なんですか? 決してイヤではないですが、大事で大切なことを 突きつけておいて、フラっていなくなってしまうような... しかもわざとね。そんな感じの寂しい気持ちになって しまいます。 決してファンタジーなんかでなく、凄い毒をかけられたような 気分です。でも決して...悪いとは思いませんが。

Posted byブクログ

2009/10/07

語り手の視点がうまくつかめなくて、読みにくかった。 最後のおどろきを狙っているために、そうしているんだろうけど、読み疲れて、あまり「おぉ!?」ともならなかった。 2009.2.16〜3.3読了

Posted byブクログ

2009/10/07

「ジャケ買い」ならぬ、「タイトル買い」。 また樋口有介だった。 この人の付けるタイトルについつい手を伸ばしてしまう。 読んでみると、いつもまあまあ。 ハードボイルド口調は、むしろ苦手。

Posted byブクログ

2009/10/04

ボクさんは知能に少し障害がある。四十歳、アパート「幸福荘」の管理人。 住人や近隣の人々に支えられ、自然を愛し人を愛し、幸福な日々を送っていた。 ところがある日、アパートで殺人事件が起きてしまう。それを目撃したボクさんは驚いて梯子から落ち、次に目が覚めた時は病院のベッドだった。 そ...

ボクさんは知能に少し障害がある。四十歳、アパート「幸福荘」の管理人。 住人や近隣の人々に支えられ、自然を愛し人を愛し、幸福な日々を送っていた。 ところがある日、アパートで殺人事件が起きてしまう。それを目撃したボクさんは驚いて梯子から落ち、次に目が覚めた時は病院のベッドだった。 そして彼は気づいた。自分の知能が正常に戻っていることに。 善良だと思っていた住人は全員失踪したという。ボクさんは一人、真実を追うため動き出す。 「僕がみんなに親切にして、僕がいい人になれば、まわりの人もみんないい人になるよ。」 人からは苦笑されてしまうような、この信条。 これは本当に、のちのボクさんが分析するような「逃げ」の生き方だったのか? ここが気になって仕方ないです。 これは極端だけど、ある種真実を衝いていますよね?いわば、彼は自覚的なムイシュキンですか。 作中で遊都子も「大家さんが薄バカでもお利口でも、あたしは大家さんのファンです」って言ってたしね。 白痴と純粋さを嘲笑わければならない社会が一番哀しいなあ。 この本を読んだわたしの考えはそんなところに着地したのでした。 ミステリとしては読みませんでした。だってミステリの書き方をしていないもの。 あとちょっと気になったのは老人ホームで働く文子の愚痴の内容かなあ・・・。 「老人ホームに来るような人たちはずるい」。これを彼女の若さと正義感のせいだとボクさんは言ってたけど、どうなんだろう。 わたしも大人になれば、そうやって人を呪ってまで生に拘泥する人たちを笑って許せるようになるのかね?

Posted byブクログ

2011/08/28

「果たしてこの小説の魅力を、どのように未読の他人に伝えたらいいものか・・」と千街晶之さんの解説にありますが、ホントこれ感想書いたらネタばれになってしまいます。樋口センセの作品が好きな方ならOK!いつもの樋口ワールドを違った角度から楽しめます。でも初めて樋口センセを読むのならこの本...

「果たしてこの小説の魅力を、どのように未読の他人に伝えたらいいものか・・」と千街晶之さんの解説にありますが、ホントこれ感想書いたらネタばれになってしまいます。樋口センセの作品が好きな方ならOK!いつもの樋口ワールドを違った角度から楽しめます。でも初めて樋口センセを読むのならこの本じゃない方がいいかも(笑) いつも思うのですが 情景描写が素敵!色が洪水のように目の前に迫ってきます。うっとり ところで、今年の「このミス」の私の隠し玉という近況報告で Q.最近ハマっていることのお答えが 「う〜む結婚か」・・・って(笑)

Posted byブクログ