論理と集合から始める数学の基礎 の商品レビュー

嘉田勝【著】

2016/07/21

IT 関係でちょっとつっこんだことを調べ始めるとすぐに集合や記号論理の知識が必要になってくる。そのための知識を必要十分に教えてくれる本は意外とそんなにない。今まで読んだその類の本の中ではこの本が一番わかりやすい。トリヴィアルな話をカットし、プラクティカルな事柄だけを、きちんと例を挙げながら説明してくれている。集合論や数理論理学の本などは、それを手段として使いたい人には何の役に立つのかわからないようなことが細かく解説されていたりして、読むのが大変なんですよね。数学でその分野に進む人向けなんどと思うが、それを手段としてしか認識していない人には too much なことが多い。その too much を潔く省いてまとめてくれているのがこの本のいいところ。

正誤表→ http://www.mi.s.osakafu-u.ac.jp/~kada/book/bookerrata140220.pdf