まなざしに管理される職場 の商品レビュー
[ 内容 ] 同僚の目が怖い――。 日本型経営の特徴である職場での相互扶助と相互監視は、人間の心理に何をもたらしたのか。 上司からの縦の管理に、同僚による配慮という名の「横の監視」が交差する職場環境とそこで発生する息苦しい人間関係、強迫の心理をえぐり出す。 [ 目次 ] はじめ...
[ 内容 ] 同僚の目が怖い――。 日本型経営の特徴である職場での相互扶助と相互監視は、人間の心理に何をもたらしたのか。 上司からの縦の管理に、同僚による配慮という名の「横の監視」が交差する職場環境とそこで発生する息苦しい人間関係、強迫の心理をえぐり出す。 [ 目次 ] はじめに 第1章 グローバル化する職場のストレス 第2章 日本的経営とピア・プレッシャー 1 ジャパナイゼーションの時代 2 日本的経営に学んだ欧米 3 ピア・プレッシャーをどう考えるか 4 仲間・同僚の目に見える管理 第3章 職場でのピア・プレッシャーの実際 1 職場のまなざしによる規律化 2 仲間に迷惑をかけるという罪悪感 3 チームワークの職場集団性 4 伝統的欧米型労働を超えて 第4章 ピア・プレッシャーとパノプティコン 1 顧客志向性とピア・プレッシャー 2 協奏的統制としてのピア・プレッシャー 3 水平と垂直のキメラ的統制 第5章 キメラ的混成のグローバリゼーション 1 〈垂直的管理〉と〈水平的管理〉の原理 2 パノプティコンと〈垂直的管理〉 3 ピア・プレッシャーと「配慮の倫理」 4 監視と配慮のまなざしの相互作用 あとがき [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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日本の職場では、労使関係のような「垂直的圧力」よりも、同僚あるいは仲間による「水平的圧力」が強いのではないか、また近年は欧米でもチームワークを重視する経営スタイルが取り入れられるジャパナイゼーションが起こっているのではないか、という指摘はうなずけます。しかし、「水平的圧力」には束...
日本の職場では、労使関係のような「垂直的圧力」よりも、同僚あるいは仲間による「水平的圧力」が強いのではないか、また近年は欧米でもチームワークを重視する経営スタイルが取り入れられるジャパナイゼーションが起こっているのではないか、という指摘はうなずけます。しかし、「水平的圧力」には束縛的な側面だけではなくて「配慮と援助」というプラスの面もある、とばかり繰り返すのはどうでしょう。それってちょっと問題アリのような。それから、「水平的圧力」が古来の「日本文化」の特徴によって形成された、という物言いも相当にいかがなものかと。あとがきで言及されている熊沢誠さんの発言にもあるように、「日本的経営」とそれを特徴づける「チームワーク」のあり方は、(日本的?)総力戦体制の中で形成されたもの、と見なければならないと思います。そういう意味で、ちょっと歴史的視点が弱いのではないかという印象。(20071127)
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