B級ビデオ発掘カタログ の商品レビュー
埋もれていた映画をビデオで掘り起こした先人の貴重な記録。 日本では劇場未公開、あるいは短期間しか上映されず、ほとんど知られることのなかった映画たち。 それがビデオソフト化されたことで、発掘して、改めて評価するというもの。 この本は1988年に書かれたものです。 まさにビデオバブ...
埋もれていた映画をビデオで掘り起こした先人の貴重な記録。 日本では劇場未公開、あるいは短期間しか上映されず、ほとんど知られることのなかった映画たち。 それがビデオソフト化されたことで、発掘して、改めて評価するというもの。 この本は1988年に書かれたものです。 まさにビデオバブルの真っ只中で、ものすごい勢いでビデオソフトが量産されていました。 (1987年12月だけで400本の映画がビデオ化されていたそうです) 著者の伊藤勝男さんは、同時期にビデオ専門雑誌『video days』で「これが未公開の玉だ」という同趣旨の連載もされてました。 「これが未公開の玉だ」内で、伊藤さんは「ビデオの登場で玉石混淆となった映画市場、中でも玉の作品を紹介―穴は掘らねば宝の発見はない」と語っておられ、それを体現した一冊となっています。 今でこそ、劇場未公開作品はDVDやCS放送、ネットなどで見るのは簡単ですが。 この本が書かれた1988年といえば、『七人の侍』や『用心棒』といった黒澤明の映画は軒並みビデオ化されておらず、ようやく『E.T.』がビデオ化されようとしていました。 その一方で、スティーブ・マーティンのように日本未公開ながらも、ビデオで人気に火が付いた俳優もいた、そんな時代です。 現在となっては、改めて冷静に見てみると評価が変わってくるものもあるんでしょうが。 過去の名作、陽の目を見なかった作品を手元に置いて見られる、あの時代の熱気や興奮が伝わってきました。
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