コア・テキスト 人的資源管理 の商品レビュー
「本書は、人的資源管理を初めて学ぶ、大学の学部生や大学院の学生向けにまとめた教科書」である。人的資源管理に関わる主要なポイントを、分かりやすく、網羅的に整理して解説してあり、良い教科書かと思う。 一方で、筆者は本書をまとめるにあたっての目標として、以下の2つを挙げている。すなわち...
「本書は、人的資源管理を初めて学ぶ、大学の学部生や大学院の学生向けにまとめた教科書」である。人的資源管理に関わる主要なポイントを、分かりやすく、網羅的に整理して解説してあり、良い教科書かと思う。 一方で、筆者は本書をまとめるにあたっての目標として、以下の2つを挙げている。すなわち、「第1は、人的資源管理の諸制度や諸施策が企業と従業員双方の幸せを実現するように制度設計されているか否かを検討すること、第2は、もし仮に十分な制度設計がなされていたとしても、その効果は人による運用次第と考えられることを問題提起すること」である。読み終わった感想としては、第1の点については、「検討」が本書の中で十分になされているとは思えないということ、また、第2の点についても、本書の中できちんとした問題提起がなされているとは思えないし、そもそも、「それって当たり前のことでは?」と思ってしまう。 教科書としては優れているが、例えば企業で人事管理を担当している人などにとっては、物足りない内容だと思う。
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新世社の「コア・テキスト イノベーション・マネジメント」があまりにも素晴らしかったので、今回は以前から気になっていた人的資源管理について、同じコア・テキストシリーズの本書を手にとった。 現在の日本企業が実施している就職採用は、果たして正当性、合理性を有しているのか。 新卒採用について考えてみると、募集要項に大卒以上の基準がある。新卒採用は中途採用と異なり、伸びしろに期待して採用するのであるから、学歴を一つの基準にする合理性が理解できない。真に伸びしろを求めるのであれば、中卒、高卒関係なく、採用するべきである。 ただ伸びしろは未来についての価値であるから、そこには不確実性が存在する。そもそも、人の伸びしろ・将来性を他人が評価できると信じている日本の採用方法はおかしいのではないか。このことから、就活で大企業に内定したら勝ち組、一般学生が知らない企業に就職もしくは無い内定は負け組と考える人々は私からしたら憐れに感じる。 以前に電通がインターンシップの募集で正規募集とは別枠で、クジ引きでの採用枠を設けたことは一考に値すると思う。正式な新卒採用でも応募者の中からクジ引きで採用してみてもいいのではないか。 筆記試験、学歴フィルター、複数回面接、グループワーク・・・。一見すると、将来性のある優秀な人間を採用するために複眼的に評価しようとしている様に見える日本企業の採用方式は、実は受け身の態度である。採用結果の責任の分散希求が見られる。魅力的なFラン大学の学生を採用したはいいが、実際に働かせてみると予想した働きでなかった場合、周囲からFラン出身なのだからこの結果は当然だと、採用した人間は責められるだろう。合理的な採用とはいかにあるべきか、今後も考えてみたい。 人の評価に正当性を付与するために数的評価を用いることは近代科学を見返してみると当然であるが、数的評価に反映し得ない人間の価値をいかにして汲み取ることが可能か、実に興味深い。
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全体像が知りたくざっと読んだ。 就職活動に関しての採用側からの視点が興味深かった。採用活動も大変なのね。
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